まれな遺伝性凝固障害

執筆者:Michael B. Streiff, MD, Johns Hopkins University School of Medicine
Reviewed ByJerry L. Spivak, MD, MACP, Johns Hopkins University School of Medicine
レビュー/改訂 修正済み 2023年 9月
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血友病以外の遺伝性凝固障害は,その大半がまれな常染色体潜性遺伝(劣性遺伝)疾患であり,潜性(劣性)遺伝子変異のホモ接合体でのみ過度の出血を引き起こす。まれな遺伝性凝固障害によって,第II,第V,第VII,第X,第XI,および第XIII因子が侵されることがある。そのうち,第XI因子欠乏症が最も一般的である(1)。(凝固障害の概要も参照のこと。)

第XI因子の欠乏がある患者において,血漿第XI因子活性と出血の重症度との間に明らかな関連が認められないことから,正常な止血における第XI因子の分子生物学的作用は正確に解明されいないことが示唆される。

他のまれな凝固障害(血友病AおよびBを除く)では通常,正常な止血には欠乏因子の活性が正常に比して約20%過剰であることが必要となる(の表を参照)。

表&コラム
表&コラム

第XI因子欠乏症

第XI因子欠乏症は,一般集団ではまれであるが,アシュケナージ系ユダヤ人を祖先にもつ患者ではよくみられる(遺伝子頻度は約5~9%)。出血は,第XI因子の遺伝子異常についてホモ接合体または複合ヘテロ接合体の人で,典型的に外傷または外科手術後に発生する。血漿第XI因子活性と出血の重症度との間に明確な関係は認められていない。

α2-アンチプラスミン欠乏症

プラスミンの主要な生理的阻害因子であるα2-アンチプラスミンの重度の欠乏症(正常の1~3%)でも,プラスミンを介したフィブリンポリマーのタンパク質分解が制御不良になる結果,出血が起きることがある。診断は特異的なα2-アンチプラスミンの測定に基づく。プラスミノーゲンのフィブリンポリマーへの結合を阻害することで急性出血をコントロールまたは予防する目的で,アミノカプロン酸またはトラネキサム酸が使用される。

α2-アンチプラスミン活性が40~60%であるヘテロ接合体の人では,二次線溶が過剰な場合(例,開腹による前立腺摘除術中に過剰な量のウロキナーゼ型プラスミノーゲンアクチベーターが放出された患者),ときに手術時に過度の出血を起こすことがある。

総論の参考文献

  1. 1.Menegatti M, Peyvandi F.Treatment of rare factor deficiencies other than hemophilia. Blood 2019;133(5):415-424.doi:10.1182/blood-2018-06-820738

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