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二次性アルドステロン症

執筆者:

Ashley B. Grossman

, MD, University of Oxford; Fellow, Green-Templeton College

レビュー/改訂 2020年 9月
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二次性アルドステロン症は,腎血流量の減少など下垂体以外からの副腎外刺激に対する反応として副腎でのアルドステロン産生が増加する病態である。症状は原発性アルドステロン症のそれと同様である。診断の際には血漿アルドステロン値および血漿レニン活性の測定などを行う。治療としては原因を是正する。

二次性アルドステロン症は腎血流低下によって引き起こされ,これにより レニン-アンジオテンシン系 原発性アルドステロン症 が刺激され,結果としてアルドステロンの過剰分泌が生じる。腎血流低下の原因には以下のものがある:

心不全では分泌は正常なことがあるが,肝血流量とアルドステロン代謝が低下するため,循環血中アルドステロンは高値となる。

二次性アルドステロン症の症状と徴候

症状は 原発性アルドステロン症 原発性アルドステロン症 原発性アルドステロン症は,副腎皮質の自律的なアルドステロン産生(過形成,腺腫,または癌腫による)により引き起こされるアルドステロン症である。症状および徴候には,発作性の筋力低下,血圧上昇,および低カリウム血症がある。診断の際には血漿アルドステロン値および血漿レニン活性の測定などを行う。治療は原因により異なる。腫瘍は可能であれば切除する;過形成では,スピロノラクトンまたは関連する薬物により血圧が正常化し,他の臨床症状が消失する場合がある。... さらに読む のそれと同様で,具体的には低カリウム性アルカローシスによる発作性の筋力低下,錯感覚,一過性麻痺,テタニーなどがある。多くの場合,唯一の症状は 高血圧 高血圧 高血圧とは,安静時の収縮期血圧(130mmHg以上),拡張期血圧(80mmHg以上),またはその両方が高値で維持されている状態である。原因不明の高血圧(本態性高血圧)が最も多くを占める。原因が判明する高血圧(二次性高血圧)は通常,睡眠時無呼吸症候群,慢性腎臓病,原発性アルドステロン症,糖尿病,または肥満に起因する。高血圧は重症となるか長期... さらに読む 高血圧 である。病因によっては末梢浮腫がみられることもある。

二次性アルドステロン症の診断

  • 血清電解質濃度

  • 血漿アルドステロン

  • 血漿レニン活性(PRA)

高血圧と低カリウム血症がみられる患者では本症を疑う。

最初に行う臨床検査は,血漿アルドステロン値と血漿レニン活性(PRA)の測定である。理想的には,レニン-アンジオテンシン系に影響を及ぼす薬剤(例,サイアザイド系利尿薬,アンジオテンシン変換酵素[ACE]阻害薬,アンジオテンシン拮抗薬,β遮断薬)を4~6週間中止してから検査を行うべきである。アルドステロンおよび血漿レニン活性の上昇は,二次性アルドステロン症を示す。原発性アルドステロン症と二次性アルドステロン症の主な相違点は アルドステロン症の鑑別診断 アルドステロン症の鑑別診断 アルドステロン症の鑑別診断 .の表に記載されている。

二次性アルドステロン症の治療

  • 原因の治療

  • ときにアルドステロン拮抗薬

治療としては原因を是正する。高血圧は通常,スピロノラクトンなどの選択的アルドステロン拮抗薬でコントロールでき,スピロノラクトンは50mg,経口,1日1回から開始し,通常は維持量である約100mg,経口,1日1回まで1~3カ月かけて増量する。スピロノラクトンの代わりに,他のカリウム保持性利尿薬でもコントロール可能である。より特異的な薬剤として,エプレレノンを50mg,経口,1日1回から200mg,経口,1日2回までの用量で使用してもよいが,その理由はスピロノラクトンとは異なり,エプレレノンがアンドロゲン受容体を阻害(女性化乳房 女性化乳房 この写真には,男性患者の肥大した乳房組織が写っている。 女性化乳房とは,男性において乳腺組織が肥大する病態である。女性化乳房は,乳房の脂肪が増加するものの乳腺組織の肥大はみられない偽性女性化乳房と鑑別する必要がある。 乳児期および思春期にみられる男性乳房の腫大は正常である(生理的女性化乳房)。通常,腫大は一過性かつ両側性で,平滑でかつ硬く,乳輪下に対称性に分布する;乳房に圧痛を伴うこともある。思春期に発生する生理的女性化乳房は,通常は約... さらに読む 女性化乳房 の原因となる)しないことによる;低用量のスピロノラクトンが無効である場合は男性の長期治療において選択すべき薬剤である。

二次性アルドステロン症の要点

  • 低カリウム血症のある高血圧患者では本症を疑う。

  • 最初に行う検査として,血漿アルドステロン値と血漿レニン活性の測定などがある。

  • 原発性アルドステロン症と異なり,血漿レニン活性は上昇している。

  • 治療としては原因を是正する。

  • 高血圧はアルドステロン拮抗薬でコントロールできる場合がある。

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