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リボフラビン欠乏症

(ビタミンB2欠乏症)

執筆者:

Larry E. Johnson

, MD, PhD, University of Arkansas for Medical Sciences

レビュー/改訂 2020年 11月
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リボフラビン欠乏症は通常,他のビタミンB群の欠乏症とともに起こる。症状と徴候には,咽頭痛,口唇および口腔粘膜の病変,舌炎,結膜炎,脂漏性皮膚炎,正色素性正球性貧血などがある。診断は通常,臨床的に行う。治療はリボフラビンの経口投与,または必要であれば筋肉内投与による。

リボフラビンは,炭水化物およびタンパク質の代謝に関わる多くの酸化還元反応に必須の補酵素として,炭水化物の代謝に関与する(ビタミンの供給源,機能,および作用 ビタミンの供給源,機能,および作用 ビタミンの供給源,機能,および作用 の表を参照)。リボフラビンには,本質的に毒性はない。

リボフラビン欠乏症の病因

原発性リボフラビン欠乏症は,以下の摂取が不十分である結果生じる:

  • 栄養強化シリアル類

  • 牛乳

  • 他の動物性食品

二次性リボフラビン欠乏症は以下によって起こることが最も多い:

リボフラビン欠乏症の症状と徴候

リボフラビン欠乏症の最も一般的な徴候は,口角粘膜の蒼白および浸軟(口角炎)ならびに唇表面の朱色化(口唇炎)であり,最終的に表層の線状の亀裂となる。亀裂がCandida albicansに感染し,灰白色の病変(口角びらん)が生じることがある。舌が紫紅色を呈することがある。

脂漏性皮膚炎が発生し,通常は鼻唇溝,耳,眼瞼,および陰嚢または大陰唇に生じる。発症部位は発赤して鱗屑を生じ,脂ぎっている。

まれに角膜血管新生および角膜炎が起こり,流涙および羞明を引き起こす。

リボフラビン欠乏症の診断

  • 治療試験

  • リボフラビンの尿中排泄量

リボフラビン欠乏症の特徴的な病変は,非特異的である。他のビタミンB群の欠乏症の患者において特徴的な徴候が出現した場合には,リボフラビン欠乏症を疑うべきである。

リボフラビン欠乏症の診断は試験的治療または臨床検査(通常はリボフラビンの尿中排泄量の測定による)によって確定できる。

リボフラビン欠乏症の治療

  • リボフラビンおよびその他の水溶性ビタミン類の経口投与

回復するまでリボフラビン5~10mgを1日1回経口投与する。その他の水溶性ビタミン類も投与すべきである。

リボフラビン欠乏症の要点

  • リボフラビン欠乏症は,口角(口角炎)および口唇の表面(口唇炎)における粘膜の浸軟など,様々な非特異的な皮膚および粘膜の病変を引き起こす。

  • 特徴的な症状および他のビタミンB群の欠乏症がある患者でリボフラビン欠乏症を疑い,リボフラビン補給の試験的治療またはリボフラビンの尿中排泄量測定によって確定する。

  • リボフラビンおよびその他の水溶性ビタミン類の補給により治療する。

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