他者に負わせる作為症

執筆者:Joel E. Dimsdale, MD, University of California, San Diego
レビュー/改訂 2020年 10月
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    他者に負わせる作為症は,他者の疾患の臨床像を捏造することであり,典型的には養育者により世話をしている相手に対して行われる。

    身体化の概要および自らに負わせる作為症も参照のこと。)

    この障害はかつて,代理人による虚偽性障害や代理ミュンヒハウゼン症候群として知られていた。他者に負わせる作為症では,患者(通常は親などの養育者)が自身(自らに負わせる作為症のように)ではなく,世話をしている相手(通常は子供)に身体的または精神的な症状または徴候を意図的に生み出すか,捏造する。

    養育者は病歴を偽り,小児を薬剤または他の物質で傷つけたり,尿検体に血液や細菌汚染物を加えるなどにより病気を装う。養育者は小児への治療を求め,小児のことを深く心配し,守ろうとしているかのように見える。小児は頻回の入院歴を有するのが典型的で,その理由は通常,様々な非特異的症状であるが,確定的な診断には至らない。被害を蒙る子供は重篤な状態になったり,ときには死亡することもある。

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