(頭痛患者へのアプローチ 頭痛患者へのアプローチ 頭痛とは,頭皮,顔面(眼窩側頭部を含む),および頭蓋内部を含めた,頭部のあらゆる部位に起こる疼痛のことを指す。頭痛は医療機関の受診理由として最も頻度が高いものの1つである。 頭痛は,脳,頭蓋骨,顔面,副鼻腔,または歯の内部または周囲における痛覚感受部位が活性化されることによって生じる。... さらに読む も参照のこと。)
SUNCTは, 群発頭痛 群発頭痛 群発頭痛は,眼窩周囲または側頭部に一側性の耐え難い疼痛を引き起こし,同側性の自律神経症状(眼瞼下垂,流涙,鼻漏,鼻閉)を伴う。診断は臨床的に行う。急性期の治療は,トリプタン系薬剤もしくはジヒドロエルゴタミンの非経口投与または酸素投与による。予防はベラパミル,リチウム,トピラマート,ジバルプロエクス(divalproex),ガルカネズマブ(モノクローナル抗体),またはこれらの組合せによる。... さらに読む と同様,三叉神経分布域における一側性の疼痛および自律神経症候を特徴とする一次性頭痛である。そのため,SUNCTと群発頭痛は,ときに三叉神経・自律神経性頭痛としてまとめられることがある。
SUNCTでは,疼痛発作は典型的には眼窩周囲に起こり,極めて頻発し(200回/日に及ぶ),5~250秒間続く。結膜充血はしばしば最も顕著な自律神経症状である;流涙が明らかなこともある。
SUNCTの診断
臨床的評価
SUNCTの診断は臨床的に行う。下垂体腫瘍など他に考えられる原因を除外するため,MRIまたはCTを施行する
三叉神経痛 三叉神経痛 三叉神経痛は,第5脳神経の疾患に起因する,発作性の刺すような重度の顔面痛である。診断は臨床的に行う。治療は通常,カルバマゼピンまたはガバペンチンによるが,手術が必要になる場合もある。 ( 神経眼科疾患および脳神経の疾患の概要も参照のこと。) 三叉神経痛は主に成人,特に高齢者に発生する。女性の方が多くみられる。 三叉神経痛は通常,以下によって生じる: 頭蓋内の動脈(例,前下小脳動脈,拡張した脳底動脈)の異常ループによる,三叉神経の根元での... さらに読む も同様の症状を引き起こすが,SUNCTとは区別すべきであり,SUNCTは以下の点で異なる:
不応期がない。
疼痛が主に三叉神経の眼分枝分布領域に起こる。
発作が皮膚刺激によって誘発されない。
インドメタシンが他の一部の頭痛の症状を緩和するのに対し,SUNCTでは無効である。
SUNCTの治療
急性発作に対して,リドカイン静注
予防目的で,抗てんかん薬投与および/または後頭神経刺激もしくは後頭神経ブロック
SUNCTの治療では,急性発作に対しリドカイン静注を,また予防目的で抗てんかん薬投与(例,ラモトリギン,トピラマート,ガバペンチン)および後頭神経刺激または後頭神経ブロックを行う。