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アキレス腱付着部症

執筆者:

Kendrick Alan Whitney

, DPM, Temple University School of Podiatric Medicine

レビュー/改訂 2019年 12月
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アキレス腱付着部症は,踵骨後上面のアキレス腱付着部の疼痛である。診断は臨床的に行う。治療は,ストレッチ,副子固定,およびヒールリフトによる。

アキレス腱付着部症の原因は,踵骨上のアキレス腱が慢性的に牽引されることである。拘縮または短縮した腓腹部の筋肉(座位時間の長い生活習慣および肥満による)および運動によるオーバーユースが因子である。腱付着部症は 脊椎関節症 血清反応陰性脊椎関節症の概要 血清反応陰性脊椎関節症(血清反応陰性脊椎関節炎)では,特定の臨床的特徴(例,炎症性背部痛,ぶどう膜炎,消化管症状,発疹)が共通してみられる。一部はヒト白血球抗原B27(HLA-B27)アレルと強く関連する。臨床的類似性および遺伝子の類似性から,同様の原因または病態生理も共有していることが示唆される。脊椎関節症では通常,リウマトイド因子(RF)が陰性である(それゆえに血清反応陰性脊椎関節症と呼ばれる)。脊椎関節症には,... さらに読む によって引き起こされることがある。フルオロキノロン系抗菌薬は,特に60歳以上の個人において,アキレス腱障害または腱断裂のリスクを高める。

歩行時における,靴のヒールカウンター(月形芯)の上端より低い位置の踵後方の疼痛が特徴的である。これらの症状がある患者の腱付着部位の触診で疼痛がみられれば,診断につながる。触診中に足関節を手で背屈させると,通常は疼痛が増悪する。再発する付着部炎(特に多病巣性のもの)がある場合は,脊椎関節症に関する評価(病歴および診察)を行うべきである。

アキレス腱付着部症の治療

  • ストレッチ,副子固定,およびヒールリフト

腓腹部の筋肉のストレッチ(1日2~3回約10分間ずつ行うべきである)を目的とした家庭における運動プログラムのために理学療法が欠かせない。患者は,手をつけるように腕の長さの距離で壁に向かい,両膝を伸ばして患者の体重で足を背屈させるときに,後方に圧力をかけて腓腹部の筋肉を伸ばすことができる。荷重負荷によるアキレス腱へのストレスを最小化するために,長時間の安静の後に起き上がる際に,患者は約1分間足と足関節を可動域全体で自動運動させるべきである。就寝中に他動的ストレッチを加えるため,および拘縮の予防を補助するために,夜間用装具も処方することがある。

立位での腓腹筋のストレッチ
動画

ヒールリフトを一時的に用いて,荷重負荷時の腱のストレスを減らし,疼痛を緩和すべきである。疼痛が片方の踵だけにある場合でも,歩行障害および起こりうる二次的な(代償性の)股関節痛または腰痛を予防するために,ヒールリフトは両側に用いるべきである。

より治療抵抗性のアキレス腱付着部症には,体外パルス活性化療法(extracorporeal pulse activation therapy;EPAT)を考慮すべきである。EPATでは,手持ち式の機器を用いて低周波のパルス波を局所に伝達する。パルス状の圧力波は,代謝を刺激し血液循環を促進する安全で非侵襲的な技法であり,損傷を受けた組織を再生して治癒を加速するのに役立つ。

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