自己免疫性リウマチ疾患には,以下のような多様な症候群が含まれる:
関節リウマチ 関節リウマチ(RA) 関節リウマチ(RA)は,主に関節を侵す慢性の全身性自己免疫疾患である。RAは,サイトカイン,ケモカイン,およびメタロプロテアーゼを介した損傷を引き起こす。特徴として,末梢関節(例,手関節,中手指節関節)に対称性に炎症が生じ,結果として関節構造が進行性に破壊される(通常は全身症状を伴う)。診断は特異的な臨床所見,臨床検査結果,および画像所見... さらに読む ならびに 脊椎関節症およびその亜型 血清反応陰性脊椎関節症の概要 血清反応陰性脊椎関節症(血清反応陰性脊椎関節炎)では,特定の臨床的特徴(例,炎症性背部痛,ぶどう膜炎,消化管症状,発疹)が共通してみられる。一部はヒト白血球抗原B27(HLA-B27)アレルと強く関連する。臨床的類似性および遺伝子の類似性から,同様の原因または病態生理も共有していることが示唆される。脊椎関節症では通常,リウマトイド因子(R... さらに読む も免疫性である。これらの疾患の誘因や病態生理は完全には解明されていないが,発生機序の多くの側面が明らかになってきていることから,より特異的な治療法の開発が可能になっている。
ほとんどの自己免疫性リウマチ疾患では,患者の 動脈硬化 アテローム性動脈硬化 アテローム性動脈硬化は,中型および大型動脈の内腔に向かって成長する斑状の内膜プラーク(アテローム)を特徴とし,そのプラーク内には脂質,炎症細胞,平滑筋細胞,および結合組織が認められる。危険因子には,脂質異常症,糖尿病,喫煙,家族歴,座位時間の長い生活習慣,肥満,高血圧などがある。症状はプラークの成長または破綻により血流が減少ないし途絶した... さらに読む のリスクが高い。
中等量のコルチコステロイドに加えて他の免疫抑制薬を投与する患者には,通常Pneumocystis jiroveciiなどの日和見感染に対する予防措置を講じるべきである(ニューモシスチス肺炎の予防 予防 Pneumocystis jiroveciiは免疫抑制患者,特にヒト免疫不全ウイルス(HIV)感染患者およびコルチコステロイドの全身投与を受けている患者における肺炎の一般的な起因菌である。症状としては,発熱,呼吸困難,乾性咳嗽などがある。診断には,誘発または気管支鏡によって採取した喀痰検体における起因菌の証明が必要である。治... さらに読む を参照)。
コルチコステロイドは骨粗鬆症のリスクも高める。
自己免疫性リウマチ疾患の要点
ほとんどの自己免疫性リウマチ疾患では,患者の動脈硬化のリスクが高い。
中等量のコルチコステロイドに加えて他の免疫抑制薬を投与する患者には,通常Pneumocystis jiroveciiなどの日和見感染に対する予防措置を講じるべきである。