胸膜生検

執筆者:Rebecca Dezube, MD, MHS, Johns Hopkins University
レビュー/改訂 2019年 6月
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    胸膜生検は,胸腔穿刺が診断に有用でない場合に,滲出性胸水の原因を確定するために行う。

    非開胸下の胸膜生検による診断率は,結核では胸膜の悪性腫瘍と比べて2倍高い。検査技術の向上,胸水の新しい診断検査(例,結核の疑いに対するアデノシンデアミナーゼの測定,インターフェロンγの測定,ポリメラーゼ連鎖反応検査),および胸腔鏡検査がより広く利用できるようになったことにより,胸膜生検の必要性は低下しており,それゆえ実施頻度も少ない。

    経皮的胸膜生検は,この手技の経験を積んだ呼吸器科医または外科医によってのみ実施されるべきであり,また協力的かつ凝固異常のない患者でのみ施行すべきである。手技は胸腔穿刺と本質的には同じであり,ベッドサイドで行うことができる;特別な前処置は不要である。組織診断および培養のために,皮膚の1カ所から少なくとも3検体,カッティングチャンバーを3時,6時,9時の方向に向けて得る必要がある。

    合併症のリスク増加のため,生検後に胸部X線を行うべきである;合併症は胸腔穿刺によるものと同じであるが,気胸および血胸の発生率がより高い。

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