アスベスト関連疾患の概要

執筆者:Abigail R. Lara, MD, University of Colorado
レビュー/改訂 2020年 5月
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    アスベストは天然に産出するケイ酸塩の1つのグループであり,その耐熱性および構造特性により,建設および造船の材料,自動車のブレーキ,ならびに一部の織物での使用に有用であった。アスベストは本来,空気,水,土壌の中にもわずかに存在するが,この程度の環境性曝露はヒト疾患の発生につながる有意な寄与因子ではない。疾患の原因となる主なアスベストの種類は,クリソタイル(温石綿―蛇紋石の繊維),クロシドライト(青石綿),アモサイト(茶石綿―角閃石,まっすぐな繊維)の3種である。クリソタイル繊維は,世界で使用されているアスベストの99%を占める。残り1%はアモサイト繊維であり,主にバーミキュライト鉱山にみられる。

    アスベストは肺,胸膜,またはその両方を侵す可能性がある。

    アスベスト関連疾患はアスベスト繊維の吸入により引き起こされる。疾患としては以下のものがある:

    アスベストに関連したプラークおよび線維化が最もよくみられる画像所見であり,アスベストに関連する胸膜所見の90%以上を占める。石綿肺と中皮腫はともに進行性の呼吸困難を引き起こすが,大量の胸水やプラークが生じても同様の症状がみられる。

    環境性肺疾患の概要も参照のこと。)

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