腹腔鏡検査

執筆者:Jonathan Gotfried, MD, Lewis Katz School of Medicine at Temple University
レビュー/改訂 2019年 6月
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    診断的腹腔鏡検査は,急性または慢性腹痛患者の腹腔内または骨盤内病変(例,腫瘍,子宮内膜症)の評価や,がん患者の手術可能性を評価するために用いられる外科的手技である。リンパ腫の病期診断と肝生検にも用いられる。

    腹腔鏡検査の絶対的禁忌としては以下のものがある:

    • 凝固障害または出血性疾患

    • 非協力的な患者

    • 腹膜炎

    • 腸閉塞

    • 腹壁の感染

    相対的禁忌には,重症の心疾患または肺疾患,大型の腹部ヘルニア,複数回の腹部手術,緊満した腹水などがある。

    腹腔鏡検査前に血算,血液凝固検査,ならびに血液型およびRh検査を行う。胸部および腹部(腎臓,尿管,および膀胱)のX線検査も行う。腹腔鏡検査は,手術室または設備の整った内視鏡検査室で無菌操作により行う。患者には,局所麻酔に加え静注で鎮静薬および鎮痛薬(オピオイドや短時間作用型鎮静薬[例,ミダゾラム,プロポフォール])を投与する。

    この手技では,腹腔内に気腹針を挿入して二酸化炭素を入れ,腹部を膨隆させる。開口部を拡大した後,腹腔鏡を腹部に挿入して腹部内容物を調べる。生検および他の手技用の手術器具を別の開口部から挿入する。手技が終了したら,患者にバルサルバ法をさせて二酸化炭素を排出し,カニューレを抜去する。

    腹腔鏡検査の合併症としては,出血,細菌性腹膜炎,内臓穿孔などがある。

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