核医学消化管検査

執筆者:Jonathan Gotfried, MD, Lewis Katz School of Medicine at Temple University
レビュー/改訂 2019年 6月
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    出血シンチグラフィー

    出血シンチグラフィーでは,99mTc標識赤血球(またはときに99mTc標識コロイド)を用いて,手術または血管造影の前に下部消化管出血の出血源を同定する。活動性出血部位は,腸管の解剖学的構造に一致し,時間とともに増加し,蠕動とともに移動するトレーサーの集積部位によって同定される。出血シンチグラフィーは主に,有意な出血がみられるものの,腸管前処置を行っておらず,内視鏡検査では観察が困難な患者の大腸出血に対して有用である。

    胃内容排出

    胃内容排出は,放射標識された食事(固形物または液体)を患者に摂取させ,胃からの排出をガンマカメラで観察することで評価できる。この検査では物理的閉塞と胃不全麻痺を鑑別できないため,排出の遅延が認められる場合は,一般的にはさらなる診断検査を行う。この検査は,消化管運動機能改善薬(例,メトクロプラミド,エリスロマイシン)に対する反応のモニタリングにも有用である。

    メッケルシンチグラフィー

    メッケルシンチグラフィーでは,過テクネチウム酸ナトリウム(99mTc)を注入することで(胃粘膜の粘液分泌細胞に取り込まれる),異所性胃粘膜(メッケル憩室などでみられる)を同定する。胃外部および小腸内での限局的な集積はメッケル憩室を示唆する。

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