表在性真菌感染症の治療選択肢*

薬剤

剤形

用途†

アリルアミン系

アモロルフィン

5%溶液

爪白癬

ナフチフィン(naftifine)

1%クリームまたはゲル

皮膚糸状菌症,皮膚カンジダ症

テルビナフィン

外用:1%クリームまたは溶液

皮膚糸状菌症

内服:250mg錠

ベンジルアミン系

ブテナフィン

1%クリーム

皮膚糸状菌症

イミダゾール系

ブトコナゾール(butoconazole)

2%クリーム

外陰腟カンジダ症

クロトリマゾール

外用:1%クリーム,ローション,溶液;100mg,200mg,500mg腟坐薬

皮膚糸状菌症カンジダ症(口腔咽頭,皮膚,外陰腟)

内服:10mgトローチ

エコナゾール

1%クリーム

皮膚糸状菌症,皮膚カンジダ症癜風

フルコナゾール

50mg/5mLおよび200mg/5mL溶液;50mg,100mg,150mg,200mg錠

カンジダ症(外陰腟,皮膚,口腔咽頭)

イトラコナゾール

100mgカプセル,10mg/mL溶液

爪白癬,その他の爪真菌症

ケトコナゾール

2%クリーム,1~2%シャンプー

皮膚糸状菌症,皮膚カンジダ症

ミコナゾール

1~2%液(エアロゾル),2%パウダー(エアロゾル),1~2%クリームおよびローション,1%溶液,2%パウダーまたはチンキ,100mgまたは200mg腟坐薬

皮膚糸状菌症カンジダ症(皮膚,外陰腟)

オキシコナゾール

1%クリームまたはローション

皮膚糸状菌症癜風

スルコナゾール

1%クリームまたは溶液

皮膚糸状菌症癜風

テルコナゾール(terconazole)

0.4%および0.8%クリーム,80mg腟坐薬

外陰腟カンジダ症

チオコナゾール

6.5%軟膏

外陰腟カンジダ症

ポリエン系

ナイスタチン

外用:10万単位/gクリーム,軟膏,パウダー,腟錠

カンジダ症(口腔咽頭,皮膚)

内服:10万単位/mL懸濁液,50万単位錠

カンジダ症(口腔咽頭,消化管)

その他

石炭酸フクシン

溶液

慢性皮膚糸状菌症間擦疹

シクロピロクス

0.77%ゲル,8%ラッカー液(マニキュア型の外用薬)

皮膚糸状菌症カンジダ症癜風爪真菌症

クリオキノール

3%クリーム

皮膚糸状菌症

ゲンチアナバイオレット

1%または2%溶液

皮膚糸状菌症,特に足白癬;ときにカンジダ症

グリセオフルビン

125mg,165mg,250mg,330mg,500mg錠

皮膚糸状菌症

トルナフタート

1%液,パウダー,液またはエアロゾルスプレー,クリーム,溶液

皮膚糸状菌症癜風

亜鉛

ウンデシレン酸

25%溶液,10%チンキ

表在性皮膚糸状菌感染症(例,足白癬

*大半の感染に対して他より高い効果を示す特定の外用薬は知られていない。皮膚感染症の場合,アリルアミン系薬剤は皮膚糸状菌に対して良好な活性を示すが,Candidaに対する活性は比較的弱い;イミダゾール系は皮膚糸状菌とCandidaのどちらに対しても,より高い活性を示す。有害作用はまれであるが,いずれの外用抗真菌薬も皮膚刺激,灼熱感,および接触皮膚炎を引き起こす可能性がある。用量は適応により異なる場合がある。

経口抗真菌薬は肝炎および好中球減少を引き起こすことがある。経口抗真菌薬(例,イトラコナゾール,テルビナフィン)を1カ月以上投与する場合は,肝機能検査および血算の定期的なモニタリングが推奨される。

イトラコナゾール,テルビナフィン,およびフルコナゾールの経口薬は,チトクロムP450によって代謝されるため,多くの薬剤と相互作用を起こす可能性がある。一部の相互作用は重度となることがあり,一部の患者には不整脈のリスクがある。これらの薬剤との相互作用の影響を最小限に抑えるため,特別な注意を払うべきである。

†病原真菌は酵母(例,Candida属)や皮膚糸状菌などである。

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