血液塗抹標本における各種マラリア原虫(Plasmodium)の診断的特徴

特徴

三日熱マラリア原虫(Plasmodium vivax)*

卵形マラリア原虫(Plasmodium falciparum

四日熱マラリア原虫(Plasmodium malariae)†

感染赤血球の膨大

あり

なし

なし

Schüffner斑点(Schüffner dot)‡

あり

なし

なし

Maurer斑点(Maurer dot)またはMaurer裂(Maurer cleft)

なし

あり§

なし

赤血球への多重感染

まれ

あり

なし

2つのクロマチン斑点(chromatin dot)を有する環

まれ

高頻度

なし

三日月形の生殖母体

なし

あり

なし

銃剣状または帯状の栄養型

なし

なし

あり

末梢血中のシゾント

あり

まれ

あり

シゾント1個当たりのメロゾイト数(平均[範囲])

16(12~24)

12(8~24)¶

8(6~12)

* 卵形マラリア原虫(P. ovale)に感染した赤血球は,辺縁が襞状の卵円形を呈し,やや膨大している;この点を除けば,卵形マラリア原虫は三日熱マラリア原虫(P. vivax)と類似している。

† サルマラリア原虫(P. knowlesi)は形態学的に四日熱マラリア原虫(P. malaria)に類似しており,それと混同されている。東南アジア,特にマレーシアで感染したマラリア患者ではサルマラリア原虫(P. knowlesi)を考慮すべきである。

‡Schüffner斑点は,血液塗抹標本をギムザ染色した場合に最もよく観察される。

§この特徴は必ずしも見えるわけではない。

¶シゾントは内臓内に閉じ込められ,通常は末梢血中に存在しない。

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