筋力低下に関連する所見で特定の疾患を示唆するもの

所見

考慮すべき疾患

急速に進行する全身性の筋力低下;著明な眼筋麻痺,構音障害,および嚥下困難,特に胃腸炎が先行する場合

ボツリヌス症

時間的・空間的に多発する病変を示唆する症候,再発および寛解の病歴,視神経炎による片眼性の視力障害,核間性眼筋麻痺による複視

多発性硬化症

急性または慢性の筋力低下,構音障害,嚥下困難,反射低下,コリン過剰症の症候(例,流涎,流涙,排尿,縮瞳,腹部痙攣,下痢,徐脈)

有機リン中毒

片側性の筋力低下,上位運動ニューロン徴候

急性脳卒中(虚血または出血),腫瘍膿瘍など,単一の脳病変

慢性の進行性四肢不全麻痺,上位運動ニューロン徴候,脳神経は侵されず,下顎反射は正常

頸椎症性脊髄症

著明な外眼筋麻痺(注視時の複視のみの場合もある)

重症筋無力症,ボツリヌス症,フィッシャー症候群(ギラン-バレー症候群の亜型)

連続検査で易疲労性を認める(例,瞬き)

重症筋無力症

対称性の四肢筋力低下,構音障害,嚥下困難,著明な舌の線維束性収縮

筋萎縮性側索硬化症

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