手術患者における深部静脈血栓症および肺塞栓症のリスク

リスクカテゴリー

予防策

DVT/PEのリスク(%)

腓腹部

近位

PE

致死的PE

臨床的な危険因子がない40歳未満の患者における大手術以外の手術*

早期の積極的な歩行開始

2

0.4

0.2

0.002

危険因子を有する患者における大手術以外の手術

臨床的な危険因子がない40~60歳の患者における小手術

その他の臨床的な危険因子がない40歳未満の患者における大手術

重大な内科的疾患を有する不動状態の患者

LDUH 12時間毎,LMWH,フォンダパリヌクス,またはIPCを単独または弾性ストッキングと併用

10~20

2~4

1~2

0.1~0.4

60歳以上の患者または危険因子を有する40~60歳の患者における大手術以外の手術

40歳以上の患者または他の臨床的な危険因子を有する患者における大手術

LDUH 8時間毎,LMWH,フォンダパリヌクス,またはIPC

20~40

4~8

2~4

0.4~1.0

超高リスク

静脈血栓塞栓症,悪性疾患,または凝固亢進を来す疾患の既往を有する40歳以上の患者における大手術

あらゆる年齢の患者:

  • 股関節または膝関節の人工関節置換術

  • 股関節骨折手術

  • 待機的な脳神経外科手術

  • 多発外傷

  • 脊髄損傷

LMWH,経口抗凝固薬,IPC,または弾性ストッキングとLDUH 8時間毎またはLMWHとの併用

整形外科,腹部,または胸部手術を受けた患者と重度の急性疾患がある患者には,フォンダパリヌクス

化学療法を受けている一部の高リスクのがん患者にはLMWHまたはDOAC

40~80

10~20

4~10

0.2~5

*大手術以外の手術とは,ここでは全身麻酔または呼吸補助を用いない手術と定義する。

DOAC = 直接作用型経口抗凝固薬;DVT = 深部静脈血栓症;PE = 肺塞栓症;LDUH = 低用量未分画ヘパリン;LMWH = 低分子ヘパリン;IPC = 間欠的空気圧迫法。

Adapted with permission from Geerts WH, Heit JA, Clagett GP, et al: Prevention of venous thromboembolism. Chest 119:132S–175S, 2001.