成人における市中肺炎

成人における市中肺炎

患者集団

可能性の高い微生物

経験的治療

I. 外来患者—併存症なし,かつMRSAおよび緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)の危険因子なし*

肺炎球菌(Streptococcus pneumoniae),肺炎マイコプラズマ(Mycoplasma pneumoniae),肺炎クラミジア(Chlamydia pneumoniae),インフルエンザ菌(Haemophilus influenzae),呼吸器系ウイルス,その他の微生物(例,Legionella,結核菌[Mycobacterium tuberculosis],地域特有の真菌)

アモキシシリン

に加えて

マクロライド系薬剤(クラリスロマイシンまたはアジスロマイシン)

または

ドキシサイクリン(マクロライド系薬剤にアレルギーがある場合)

II. 外来患者―併存症あり*

肺炎球菌(S. pneumoniae)(抗菌薬耐性型を含む),肺炎マイコプラズマ(M. pneumoniae),肺炎クラミジア(C. pneumoniae),混合感染(細菌 + 非定型病原体またはウイルス),インフルエンザ菌(H. influenzae),グラム陰性腸内菌,呼吸器系ウイルス,その他の微生物(例,Moraxella catarrhalis,Legionella,嫌気性菌[誤嚥],結核菌[M. tuberculosis],地域特有の真菌)

β-ラクタム系薬剤(セフポドキシム,セフロキシム,アモキシシリン,またはアモキシシリン/クラブラン酸)

に加えて

マクロライド系薬剤の経口投与

または

抗肺炎球菌フルオロキノロン系薬剤の経口投与または静注(例,モキシフロキサシン,レボフロキサシン)

III. 入院患者―集中治療室(ICU)以外,MRSAおよび緑膿菌(P. aeruginosa)の危険因子なし

肺炎球菌(S. pneumoniae),インフルエンザ菌(H. influenzae),肺炎マイコプラズマ(M. pneumoniae),肺炎クラミジア(C. pneumoniae),混合感染(細菌 + 非定型病原体またはウイルス),呼吸器系ウイルス,Legionella,その他の微生物(例,結核菌[M. tuberculosis],地域特有の真菌,Pneumocystis jirovecii

アジスロマイシン

に加えて

β-ラクタム系薬剤の静注(セフォタキシムまたはセフトリアキソン)

または

抗肺炎球菌フルオロキノロン系薬剤の経口または静注(単独)

IVA. ICU患者—MRSAおよび緑膿菌(P. aeruginosa)の危険因子なし

肺炎球菌(S. pneumoniae)(抗菌薬耐性型を含む),Legionella,インフルエンザ菌(H. influenzae),グラム陰性腸内菌,黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus),肺炎マイコプラズマ(M. pneumoniae),呼吸器系ウイルス,その他の微生物(例,肺炎クラミジア[C. pneumoniae],結核菌[M. tuberculosis],地域特有の真菌)

β-ラクタム系薬剤の静注(セフォタキシムまたはセフトリアキソン)

に加えて

抗肺炎球菌フルオロキノロン系薬剤の静注

または

アジスロマイシン

IVB. 入院患者またはICU患者—MRSAまたはPseudomonas属の危険因子あり(過去の分離が唯一の危険因子である場合は,最初はその病原体のみをカバーする治療を追加し,培養検査を行う)

IVAと同じ微生物(上述)に加えてMRSAまたはPseudomonas

リネゾリドまたはバンコマイシン

または/かつ

抗緑膿菌活性を有するβ-ラクタム系薬剤(セフェピム,セフタジジム,イミペネム,メロペネム,ピペラシリン/タゾバクタム)またはアズトレオナム(β-ラクタム系薬剤にアレルギーがあるか耐えられない場合)

*修飾因子:

  • 併存症:心臓,肺,肝臓,または腎臓の慢性疾患;糖尿病;アルコール使用症;がん;無脾症。

  • MRSAまたは緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)の危険因子には,過去のMRSAもしくは緑膿菌(P.aeruginosa)の呼吸器検体からの分離または最近の入院 + 抗菌薬の静脈内投与(過去90日間において)などがある。

MRSA = メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(methicillin-resistant Staphylococcus aureus)。

Data from Metlay JP, Waterer GW, Long AC, et al.Diagnosis and Treatment of Adults with Community-acquired Pneumonia.An Official Clinical Practice Guideline of the American Thoracic Society and Infectious Diseases Society of America. Am J Respir Crit Care Med 2019;200(7):e45-e67.doi:10.1164/rccm.201908-1581ST

*修飾因子:

  • 併存症:心臓,肺,肝臓,または腎臓の慢性疾患;糖尿病;アルコール使用症;がん;無脾症。

  • MRSAまたは緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)の危険因子には,過去のMRSAもしくは緑膿菌(P.aeruginosa)の呼吸器検体からの分離または最近の入院 + 抗菌薬の静脈内投与(過去90日間において)などがある。

MRSA = メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(methicillin-resistant Staphylococcus aureus)。

Data from Metlay JP, Waterer GW, Long AC, et al.Diagnosis and Treatment of Adults with Community-acquired Pneumonia.An Official Clinical Practice Guideline of the American Thoracic Society and Infectious Diseases Society of America. Am J Respir Crit Care Med 2019;200(7):e45-e67.doi:10.1164/rccm.201908-1581ST

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