喘息管理のステップ*

ステップ

望ましい治療†

代替治療

1(間欠型喘息の開始点)

必要に応じて短時間作用型β2作動薬†

2(軽症持続型喘息の開始点)

毎日の低用量吸入コルチコステロイドおよび必要に応じて短時間作用型β2作動薬

または

12歳以上の場合,吸入コルチコステロイドと短時間作用型β2作動薬を必要に応じて併用

肥満細胞安定化薬,ロイコトリエン受容体拮抗薬,テオフィリン,またはジロートン(zileuton)(12歳以上の場合)のいずれかに,必要に応じて(レスキュー)短時間作用型β2作動薬療法を併用

3(中等症持続型喘息の開始点)

低用量吸入コルチコステロイド + ホルモテロールの毎日および必要に応じた併用療法‡

毎日の中用量吸入コルチコステロイドおよび必要に応じた(レスキュー)短時間作用型β2作動薬

または

毎日の低用量吸入コルチコステロイドに加えて,以下のいずれか:

  • 長時間作用型β2作動薬

  • ロイコトリエン受容体拮抗薬

  • テオフィリン

いずれも必要に応じて(レスキュー)短時間作用型β2作動薬療法を併用

または

12歳以上の場合,毎日の低用量吸入コルチコステロイド + 長時間作用型ムスカリン受容体拮抗薬またはジロートン(zileuton)のいずれかに,必要に応じて(レスキュー)短時間作用型β2作動薬療法を併用

4

中用量吸入コルチコステロイドおよびホルモテロールの毎日および必要に応じた併用療法‡

毎日の中用量吸入コルチコステロイド + 長時間作用型β2作動薬に加え,必要に応じて(レスキュー)短時間作用型β2作動薬療法

または

12歳以上の場合,毎日の中用量吸入コルチコステロイド + 長時間作用型ムスカリン受容体拮抗薬に加え,必要に応じて(レスキュー)短時間作用型β2作動薬療法

または

毎日の中用量吸入コルチコステロイドに加えて,以下のいずれか:

  • ロイコトリエン受容体拮抗薬

  • テオフィリン

  • ジロートン(Zileuton)(12歳以上)

いずれも必要に応じて(レスキュー)短時間作用型β2作動薬療法を併用

5(重症持続型喘息の開始点)

5~11歳の場合,毎日の高用量吸入コルチコステロイド-長時間作用型β2作動薬併用療法に加え,必要に応じて短時間作用型β2作動薬療法

または

12歳以上の場合,毎日の中用量吸入コルチコステロイド-長時間作用型β2作動薬に長時間作用型ムスカリン受容体拮抗薬を併用,および必要に応じて短時間作用型β2作動薬療法

かつ

喘息に対する生物学的製剤(抗IgE,抗IL5,抗IL5R,抗IL4/IL13を含む)の追加を考慮

5~11歳の場合,毎日の高用量吸入コルチコステロイド + ロイコトリエン受容体拮抗薬または毎日の高用量吸入コルチコステロイド + テオフィリンのいずれかに,必要に応じて(レスキュー)短時間作用型β2作動薬療法を併用

または

12歳以上の場合,毎日の中~高用量吸入コルチコステロイド + 長時間作用型β2作動薬または毎日の高用量吸入コルチコステロイド+ロイコトリエン受容体拮抗薬のいずれかに,必要に応じて(レスキュー)短時間作用型β2作動薬療法を併用

かつ

喘息に対する生物学的製剤(抗IgE,抗IL5,抗IL5R,抗IL-4/IL13を含む)の追加を考慮

6

毎日の高用量吸入コルチコステロイド + 長時間作用型β2作動薬 + 経口コルチコステロイドに,必要に応じて短時間作用型β2作動薬療法を併用

かつ

喘息に対する生物学的製剤(抗IgE,抗IL5,抗IL5R,抗IL4/IL13を含む)の追加を考慮

5~11歳の場合,毎日の高用量吸入コルチコステロイド + ロイコトリエン受容体拮抗薬に加えて経口コルチコステロイド全身投与,または毎日の高用量吸入コルチコステロイド + テオフィリン + 経口コルチコステロイドのいずれかに,必要に応じて(レスキュー)短時間作用型β2作動薬療法を併用

かつ

喘息に対する生物学的製剤(抗IgE,抗IL5,抗IL5R,抗IL4/IL13を含む)の追加を考慮

*ステップアップの前に,アドヒアランス,環境因子(例,誘発因子への曝露),および併存症がないかを再確認し,必要があれば対処すべきである。

†短時間作用型β2作動薬は全ステップにおける症状の速やかな緩和,および運動誘発喘息の予防に適応がある。

‡ 更新されたNAEPP Asthma Management Guidelinesのステップ3および4で推奨されるレスキュー治療の選択肢には,吸入コルチコステロイドと併用して,必要に応じてホルモテロールを1~2パフ投与すること,この際に年齢5~11歳では24時間でホルモテロールを8パフ(36μg),12歳以上では24時間でホルモテロールを12パフ(54 μg)の1日最大用量を超えないことが含まれている。

Adapted from the Expert Panel Working Group of the National Heart, Lung, and Blood Institute (NHLBI) administered and coordinated National Asthma Education and Prevention Program Coordinating Committee (NAEPPCC), Cloutier MM, Baptist AP, et al: 2020 Focused Updates to the Asthma Management Guidelines: A Report from the National Asthma Education and Prevention Program Coordinating Committee Expert Panel Working Group.J Allergy Clin Immunol 146(6):1217–1270, 2020. doi: 10.1016/j.jaci.2020.10.003

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