双極症に対する主な薬剤*

双極症に対する主な薬剤*

薬剤

適応

開始量†

維持量†

備考

リチウム

徐放性リチウム,12歳以上の青年‡,§

急性躁状態および維持期

450~900mg,1日2回

血中濃度が0.8~1.2mEq/L(またはmmol/L)になるまで漸増する

リチウム,即放性,青年‡,§

急性躁状態および維持期

200~300mg,1日3回

300~600mg,1日3回,最大2400mg

最大1日量は40mg/kgである

双極症の小児および青年において,自殺傾向の低下,抑うつの軽減,および心理社会的機能の改善と関連する¶

抗精神病薬

アリピプラゾール,10歳以上の小児§

急性躁状態

精神症

2~5mg,1日1回

最大30mg,1日1回

小児への投与経験は限られている

アセナピン,10歳以上の小児

双極症の躁

2.5mg,1日2回,舌下

最大10mg,1日2回

舌のしびれおよびピリピリ感

クロルプロマジン,5歳以上の小児‡,§

急性躁状態

精神症

0.6~1.5mg/kg,6時間毎,最大200mg/日

新規薬剤の方が有害作用プロファイルが好ましいため,まれ(新規薬剤に反応しない小児)にしか使用されない

ルラシドン,10歳以上の小児

双極症の抑うつ

20mg,1日1回

最大80mg/日

オランザピン,13歳以上の小児§

急性躁状態

精神症

2.5~5mg,1日1回

最大10mg,1日2回

体重増加を引き起こすため,一部の患者では使用が制限される場合がある

オランザピン/フルオキセチンの固定配合剤,10歳以上の小児‡,§

双極症の抑うつ

3mg/25mg,1日1回

最大12mg/50mg,1日1回

小児への投与経験は限られている

パリペリドン,12歳以上の小児 ‡,§

急性躁状態

精神症

3mg,1日1回

最大3mg,1日2回

リスペリドンと密接に関連

小児への投与経験は非常に限られている

クエチアピン,即放性,10歳以上の小児§

急性躁状態

精神症

25mg,1日2回

最大200mg,1日2回

鎮静作用により増量が制限されることがある

リスペリドン,10歳以上の小児§

急性躁状態

精神症

0.5mg,1日1回

最大2.5mg/日

維持量にはかなりのばらつきがある

用量は6mg/日まで検討されているが,さらなるベネフィットは得られず,神経系に対する有害作用のリスクが増大する

ジプラシドン,10歳以上の小児§

急性躁状態

精神症

20mg,1日1回

最大40mg,1日2回

小児への投与経験は非常に限られている

抗てんかん薬

カルバマゼピン

急性躁および混合性エピソード

200mg,1日2回

最大600mg,1日2回

代謝酵素の誘導,ときに用量調整を要する

特に遺伝子型がHLA-B*15:02の患者(東アジア人集団に多い)ではスティーブンス-ジョンソン症候群および中毒性表皮壊死融解症(SJS/TEN)を,遺伝子型がHLA-A*31:01の患者(白人およびヒスパニック系に多い)では斑状丘疹状発疹(maculopapular exanthema:MPE),好酸球増多を伴う薬物反応(DRESS症候群),およびSJS/TENを引き起こすことがある a

ジバルプロエクス(divalproex)

急性躁状態

5mg/kg,1日2回または3回

最大10~20mg/kg,1日3回

血中濃度が50~125μg/mLになるまで漸増する

ラモトリギン

維持期

25mg,1日1回

最大100mg,1日2回

添付文書の投与ガイドラインに忠実に従う必要がある

* これらの薬剤には,様々な重大な有害作用について小さいながら深刻なリスクがある。したがって,考えられるリスクとベネフィットを慎重に比較検討しなければならない。

† 用量範囲はおおよその値である。治療に対する反応性と有害作用にはかなりの個人差がある。この表は完全な添付文書の代わりとなるものではない。

‡ これらの薬剤については,小児での検討がなされていない。12歳未満の小児への投与については,添付文書を参照のこと。

§ これらの薬剤は,体重増加のリスク,脂質プロファイルの悪化,グルコース値およびプロラクチン値の上昇,ならびにQT間隔の延長を増大させる。

Hafeman DM, Rooks B, Merranko J, et al: Lithium versus other mood-stabilizing medications in a longitudinal study of youth diagnosed with bipolar disorder.J Am Acad Child Adolesc Psychiatry 59(10):1146-1155.doi:https://doi.org/10.1016/j.jaac.2019.06.013

aPhillips EJ, Sukasem C, Whirl-Carrillo, et al: Clinical pharmacogenetics implementation consortium guideline for HLA genotype and use of carbamazepine and oxcarbazepine: 2017 Update.https://doi.org/10.1002/cpt.1004

* これらの薬剤には,様々な重大な有害作用について小さいながら深刻なリスクがある。したがって,考えられるリスクとベネフィットを慎重に比較検討しなければならない。

† 用量範囲はおおよその値である。治療に対する反応性と有害作用にはかなりの個人差がある。この表は完全な添付文書の代わりとなるものではない。

‡ これらの薬剤については,小児での検討がなされていない。12歳未満の小児への投与については,添付文書を参照のこと。

§ これらの薬剤は,体重増加のリスク,脂質プロファイルの悪化,グルコース値およびプロラクチン値の上昇,ならびにQT間隔の延長を増大させる。

Hafeman DM, Rooks B, Merranko J, et al: Lithium versus other mood-stabilizing medications in a longitudinal study of youth diagnosed with bipolar disorder.J Am Acad Child Adolesc Psychiatry 59(10):1146-1155.doi:https://doi.org/10.1016/j.jaac.2019.06.013

aPhillips EJ, Sukasem C, Whirl-Carrillo, et al: Clinical pharmacogenetics implementation consortium guideline for HLA genotype and use of carbamazepine and oxcarbazepine: 2017 Update.https://doi.org/10.1002/cpt.1004