具体的な抗てんかん薬

薬剤名

適応

有害作用

アセタゾラミド

難治性の欠神発作

腎結石,脱水,代謝性アシドーシス

カンナビジオール

2歳以上の患者のレノックス-ガストー症候群およびドラベ症候群における痙攣発作に対する補助療法

傾眠,アミノトランスフェラーゼ値上昇を伴う肝細胞傷害,食欲不振,疲労,不眠症,下痢

カルバマゼピン

焦点起始発作,全般起始強直間代発作,および混合型の発作(欠神発作,ミオクロニー発作,脱力発作には適応なし)

複視,めまい,眼振,消化管障害,構音障害,嗜眠,白血球数低値(3000~4000/μL),低ナトリウム血症,スティーブンス-ジョンソン症候群を含む重度の発疹(5%)

特異体質性の有害作用:顆粒球減少,血小板減少,肝毒性,再生不良性貧血

セノバマート(cenobamate)

焦点起始両側強直間代発作を伴うまたは伴わない焦点起始発作に対する補助療法

QT短縮症候群の患者では禁忌

めまい,複視,傾眠,疲労

まれに,DRESS(drug reaction with eosinophilia and systemic symptoms)症候群(好酸球増多と全身症状を伴う薬物反応),QT間隔の短縮,希死念慮

クロバザム

欠神発作

レノックス-ガストー症候群における強直または脱力発作,ならびに場合により焦点起始両側強直間代発作を伴う難治性の焦点起始発作に対する補助療法

傾眠,鎮静,便秘,運動失調,自殺念慮,薬剤依存,易刺激性,嚥下困難

クロナゼパム

レノックス-ガストー症候群における非定型欠神発作,脱力およびミオクロニー発作,てんかん性スパズム

ときに,エトスクシミドに反応しない欠神発作

眠気,運動失調,行動異常,有益な効果に対する部分的または完全な耐性(通常は1~6カ月以内)*

ジバルプロエクス(divalproex)

バルプロ酸と同じ適応:欠神発作(定型および非定型),焦点起始発作,強直間代発作,ミオクロニー発作,若年性ミオクロニーてんかん,てんかん性スパズム,新生児または熱性痙攣,レノックス-ガストー症候群における強直または脱力発作

悪心,嘔吐,胃腸不耐性,体重増加,可逆的脱毛,一過性の眠気,一過性の好中球減少症,振戦

特異体質性の高アンモニア性脳症

まれに致死的な肝壊死(特に抗てんかん薬の多剤併用療法を受けた神経学的に障害のある若年の小児)

エスリカルバゼピン(eslicarbazepine)

単剤または補助療法として焦点起始発作

重度の肝障害がある患者での使用は推奨されない

めまい,複視,傾眠,低ナトリウム血症,希死念慮,皮膚反応(スティーブンス-ジョンソン症候群を含む);有意な薬物反応が生じる可能性あり

エトスクシミド

欠神発作

悪心,嗜眠,めまい,頭痛

特異体質性の白血球減少または汎血球減少,皮膚炎,全身性エリテマトーデス

フェルバメート(felbamate)

レノックス-ガストー症候群における難治性の焦点起始発作および非定型欠神発作

頭痛,疲労,肝不全,まれに再生不良性貧血

ホスフェニトイン

てんかん重積状態

運動失調,めまい,傾眠,頭痛,そう痒,錯感覚

ガバペンチン

3~12歳の患者における焦点起始発作に対する補助療法として,また12歳以上の患者における場合により焦点起始両側強直間代発作を伴う焦点起始発作に対する補助療法

眠気,めまい,体重増加,頭痛

3歳以上12歳未満の患者では傾眠,攻撃的行動,気分変動,多動

ラコサミド

17歳以上の患者における焦点起始発作に対する第2選択の単剤または補助療法

めまい,複視,自殺念慮

ラモトリギン

2歳以上の患者に生じた焦点起始発作,レノックス-ガストー症候群における全般起始発作,および全般起始強直間代発作に対する補助療法

16歳以上の患者では,併用される酵素誘導を起こす抗てんかん薬(例,カルバマゼピン,フェニトイン,フェノバルビタール)またはバルプロ酸を中止した後に,焦点起始または焦点起始両側強直間代発作に対する代替の単剤療法

頭痛,めまい,眠気,不眠,疲労,悪心,嘔吐,複視,運動失調,振戦,月経異常,発疹(2~3%);発疹は小児患者の1/50~100,成人患者の1/1000でスティーブンス-ジョンソン症候群に進行する

成人ではミオクロニー発作の増悪

レベチラセタム

てんかん重積状態

4歳以上の患者における焦点起始発作,6歳以上の患者における全般起始強直間代発作,12歳以上の患者におけるミオクロニー発作,および若年性ミオクロニーてんかんに対する補助療法

疲労,筋力低下,運動失調,気分および行動の変化

オクスカルバゼピン

4~16歳の患者における焦点起始発作に対する補助療法,成人の焦点起始発作

疲労,悪心,腹痛,頭痛,めまい,傾眠,白血球減少,複視,低ナトリウム血症(2.5%)

ペランパネル

てんかんのある12歳以上の患者における焦点起始発作および全般起始強直間代発作に対する補助療法

4歳未満の小児に対する使用には適応なし

攻撃性,気分および行動の変化,希死念慮,めまい,傾眠,疲労,易刺激性,転倒,頭痛,悪心,嘔吐,腹痛,体重増加,歩行障害

フェノバルビタール

全般起始強直間代発作,焦点起始発作,てんかん重積状態,新生児痙攣

眠気,眼振,運動失調

小児では,学習困難,奇異性の多動

特異体質性の貧血,発疹

フェニトイン

焦点起始両側強直間代発作,焦点意識減損発作,痙攣性のてんかん重積状態

頭部外傷に続発する発作の予防

巨赤芽球性貧血,歯肉増殖症,男性型多毛症,リンパ節腫脹,骨密度の低下

フェニトインの血中濃度が高い場合,眼振,運動失調,構音障害,嗜眠,易刺激性,悪心,嘔吐,錯乱

特異体質性の発疹,剥脱性皮膚炎

まれに,発作の増悪

プレガバリン

焦点起始発作に対する補助療法

めまい,傾眠,運動失調,霧視,複視,振戦,体重増加

ミオクロニー発作の増悪

チアガビン(tiagabine)

12歳以上の患者における焦点起始発作に対する補助療法

めまい,ふらつき,錯乱,思考の鈍化,疲労,振戦,鎮静,悪心,腹痛

トピラマート

2歳以上の患者における焦点起始発作,非定型欠神発作

一次性の全般性強直間代発作に対する第2選択の単剤療法または補助療法

濃度の低下,錯感覚,疲労,言語機能障害,錯乱,食欲不振,体重減少,発汗減少,代謝性アシドーシス,腎結石症(1~5%),精神症状態(1%)

バルプロ酸

欠神発作(定型および非定型),焦点起始発作,強直間代発作,ミオクロニー発作,若年性ミオクロニーてんかん,てんかん性スパズム,新生児または熱性痙攣,レノックス-ガストー症候群における強直または脱力発作

てんかん重積状態

一般に妊娠可能年齢の女性には推奨されない

悪心,嘔吐,胃腸不耐性,体重増加,可逆的脱毛(5%で),一過性の眠気,一過性の好中球減少症,振戦

特異体質性の高アンモニア性脳症

まれに致死的な肝壊死‡(特に抗てんかん薬の多剤併用療法を受けた神経学的に障害のある若年の小児)

ビガバトリン

焦点起始発作に対する補助療法

てんかん性スパズム(epileptic spasm)

眠気,めまい,頭痛,疲労,不可逆的な視野欠損(定期的な視野評価を必要とする)

ゾニサミド

16歳以上の患者における焦点起始発作に対する補助療法,レノックス-ガストー症候群における強直または脱力発作に対する代替または補助療法

抑うつ,精神症状態,尿路結石,発汗減少

* クロナゼパムに対する重篤な反応はまれである。

関連するトピック