一般的な中毒症候群

症候群

症状

一般的な原因

抗コリン性

頻脈,高体温,散瞳,皮膚のほてりおよび乾燥皮膚,尿閉,イレウス,せん妄(“全く気が狂って頭がどうかしてしまい,全く目が見えず,真っ赤になって狂気じみ,ひからびているような状態[mad as a hatter, blind as a bat, red as a beet, hot as a hare, and dry as a bone]”*)

抗ヒスタミン薬

アトロピン

ベラドンナアルカロイド

キダチチョウセンアサガオ(エンジェルストランペット)

シロバナヨウシュチョウセンアサガオ

キノコ(一部)

向精神薬(多数)

スコポラミン

三環系抗うつ薬

コリン性,ムスカリン性

流涎(salivation),流涙(lacrimation),排尿(urination),排便(defecation),消化管痙攣(GI cramp),嘔吐(emesis)(記憶法:SLUDGE)

または

下痢(diarrhea);排尿(urination);縮瞳(miosis);気管支漏(bronchorrhea),徐脈(bradycardia),気管支収縮(bronchoconstriction);嘔吐(emesis);流涙(lacrimation);流涎(salivation)(記憶法:DUMBELS)

呼気性喘鳴

カルバメート類

キノコ(一部)

有機リン化合物

フィゾスチグミン

ピロカルピン

ピリドスチグミン

コリン性,ニコチン性

散瞳(mydriasis),頻脈(tachycardia),筋力低下(weakness),高血圧(hypertension)および高血糖(hyperglycemia),線維束性収縮(fasciculations),発汗(sweating)(記憶法:MTWT[h]FS)

腹痛,不全麻痺

クロゴケグモ咬傷

カルバメート化合物

ニコチン

有機リン化合物(一部)

オピオイド

低換気,低血圧,縮瞳,鎮静,場合により低体温

オピオイド(例,ブプレノルフィン,ジフェノキシラート[diphenoxylate],フェンタニル,カルフェンタニル[carfentanyl],ノルフェンタニル[norfentanyl],レミフェンタニル,ヘロイン,メサドン,モルヒネ,ペンタゾシン,プロポキシフェン,オキシコドン,ヒドロモルフォン)

交感神経刺激作用

頻脈,高血圧,散瞳,興奮,痙攣発作,発汗,高体温,精神症(長期使用後)

アンフェタミン類

カフェイン

コカイン

エフェドリン

植物性または合成マリファナ,および一般的な代替品

MDMA(エクスタシー)

フェニルプロパノールアミン

カチノン誘導体(「バスソルト」)

「合成」マリファナ

テオフィリン

離脱症候群

頻脈,軽度の高血圧,散瞳,発汗,興奮,不穏,不安,反射亢進,立毛,あくび,腹部痙攣,流涙,インフルエンザ様症状,不眠,嘔吐,下痢

以下の鎮静薬またはレクリエーショナルドラッグからの離脱:

興奮,幻覚,錯乱,見当識障害,痙攣発作,反射亢進,高血圧,頻脈,不整脈,脱水,自律神経不安定状態,死亡

バクロフェン:重度の筋攣縮

催眠鎮静作用を有する以下の薬剤からの離脱:

意識レベルの低下,嗜眠,昏睡,血圧低下,心拍数低下

交感神経刺激作用を有する以下の薬物からの離脱:

軽度のインフルエンザ様症状,不眠,不穏,不安

抗うつ作用を有する以下の薬剤からの離脱:

* From Carroll L: Alice's Adventures in Wonderland.London, MacMillan & Co., 1865.

GHB = γ-ヒドロキシ酪酸;MDMA = メチレンジオキシメタンフェタミン;MAOI = モノアミン酸化酵素阻害薬;PCP = フェンシクリジン;SSRI = 選択的セロトニン再取り込み阻害薬。

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