ディスペプシアに対する経口薬

薬剤*

通常の用量

備考

プロトンポンプ阻害薬

デクスランソプラゾール(dexlansoprazole)

30mg,1日1回

長期使用によりガストリン濃度が上昇するが,この変化によって異形成や悪性腫瘍が引き起こされることを示したエビデンスはない

腹痛または下痢を引き起こす可能性あり

エソメプラゾール

40mg,1日1回

ランソプラゾール

30mg,1日1回

オメプラゾール

20mg,1日1回

パントプラゾール

40mg,1日1回

ラベプラゾール

20mg,1日1回

H2受容体拮抗薬

シメチジン

800mg,1日1回

高齢患者では減量

シメチジン,および程度はより低いが他の薬剤により,軽度の抗アンドロゲン作用,および頻度は低いが勃起障害

チトクロムP450酵素系によって代謝される薬剤(例,フェニトイン,ワルファリン,ジアゼパム)の代謝遅延

便秘または下痢を引き起こす可能性あり

ファモチジン

40mg,1日1回

ニザチジン

300mg,1日1回

ラニチジン†

300mg,1日1回または150mg,1日2回

細胞保護剤

スクラルファート

1g,1日4回

まれに便秘

他の薬物に結合し,吸収に干渉する可能性あり

スクラルファート投与の前後2時間は,シメチジン,シプロフロキサシン,ジゴキシン,ノルフロキサシン,オフロキサシン,ラニチジンの投与は避ける

* 三環系抗うつ薬が役立つことがある。運動不全型の機能性ディスペプシア患者には,メトクロプラミドまたはエリスロマイシンの懸濁液での投与を試みてもよい。

† ラニチジン(経口剤,静注剤,およびOTC医薬品)は,ヒトに対する発がん物質である可能性が高いN-ニトロソジメチルアミン(NDMA)の濃度が許容範囲を超えているため,米国を始めとする多くの国々で市場から排除されている。シメチジンとファモチジンが代替薬であり,NDMAを含有せず,プロトンポンプ阻害薬もNDMAを含有しない。

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