キレート療法に関する指針

キレート剤*

金属

用法・用量

デフェラシロクス/デフェリプロン(deferiprone)/デフェロキサミン

鉄中毒の治療を参照

ジメルカプロール,油中10%

アンチモン

ヒ素

ビスマス

銅塩

水銀

タリウム*

1日目に3~4mg/kg,4時間毎に深く筋注,2日目に2mg/kg,4時間毎に筋注,3日目に3mg/kg,6時間毎に筋注,その後,回復するまで7~10日間3mg/kg,12時間毎に筋注

エデト酸カルシウム二ナトリウム(エチレンジアミン四酢酸カルシウム二ナトリウム),3%以下に希釈

コバルト

亜鉛

亜鉛塩

25~35mg/kg,12時間毎に深く筋注またはゆっくり(1時間かけて)静注を5~7日間,続く7日間休薬し,その後繰り返す

ペニシラミン

ヒ素

銅塩

5~7.5mg/kgを1日4回経口投与(通常の開始量は250mg,1日4回),成人の上限量は2g/日

サクシマー(succimer)

ヒ素(成人における職業曝露)

カドミウム塩

鉛,小児において血中鉛濃度が45μg/dL(2.15μmol/L)を超える場合

鉛(成人における職業曝露)

水銀(成人における職業曝露)

10mg/kg,8時間毎経口投与を5日間,その後10mg/kg,12時間毎経口投与を14日間

トリエチレンテトラミン(triethylenetetramine)

ウィルソン病のみの用量‡

13歳以上:750~1250mgを1日2回,3回,または4回に分割して経口投与;最大用量:1日2000mg

12歳以下:500~750mgを1日2回,3回,または4回に分割して経口投与;最大用量:1500mgを1日1回

* この薬物によるタリウム塩のキレートの効果は変動する(特定の毒物の症状と治療法の表の「タリウム塩」を参照)。

† 用量は中毒の種類と重症度に依存する。

‡ このキレート剤は,2018年にウィルソン病の治療薬として承認され,外因性銅中毒の治療における使用は承認されなかった。

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