マラリア予防に使用される薬剤

マラリア予防に使用される薬剤

薬剤a

用途

成人における用法・用量

小児における用法・用量

備考

アトバコン/プログアニルb

全ての地域

成人用錠剤1錠,1日1回

5~8kg:小児用錠剤の2分の1錠,1日1回

8~10kg:小児用錠剤の4分の3錠,1日1回

10~20kg:小児用錠剤1錠,1日1回

20~30kg:小児用錠剤2錠,1日1回

30~40kg:小児用錠剤3錠,1日1回

> 40kg:成人用錠剤1錠,1日1回

旅行の1~2日前に開始し,滞在中および流行地域を離れてから7日間毎日継続する

クロロキン

クロロキン感受性のマラリア原虫(Plasmodium)が存在する地域のみ

500mg,週1回

8.3mg/kg,最大500mg,週1回

旅行の1~2週間前に開始し,滞在中および流行地域を離れてから4週間毎週継続する

ドキシサイクリンc

全ての地域

100mg,1日1回

8歳以上:2.2mg/kg(最大100mg),1日1回

旅行の1~2日前に開始し,滞在中および流行地域を離れてから4週間継続する

ヒドロキシクロロキンd

クロロキン感受性のマラリア原虫(Plasmodium)が存在する地域でのみクロロキンの代替薬とされる

400mg,週1回

6.5mg/kg,最大400mg,週1回

旅行の1~2週間前に開始し,滞在中および流行地域を離れてから4週間継続する

メフロキンe

メフロキン感受性のマラリア原虫(Plasmodium)が存在する地域

250mg,週1回

9kg以下:5mg,週1回

9~19kg:4分の1錠,週1回

19~30kg:2分の1錠,週1回

30~45kg:4分の3錠,週1回

45kg以上:1錠,週1回

旅行の2週間以上前に開始し,滞在中および流行地域を離れてから4週間継続する

うつ病,その他の精神医学的問題,または痙攣発作の既往がある患者では禁忌;心伝導異常を有する患者には推奨されない

プリマキンf

主に三日熱マラリア原虫(P. vivax)が存在することが知られている地域への短期旅行時の一次予防のため

52.6mg,1日1回

0.8mg/kgから成人用量まで,1日1回

旅行の1~2日前に開始し,滞在中および流行地域を離れてから7日間毎日継続する

使用前にG6PD濃度が正常であることを確認し記録する

G6PD欠損症患者ならびに妊婦および授乳婦(母乳栄養児のG6PD濃度が正常の場合は除く)では禁忌

旅行中に三日熱マラリア原虫(P. vivax)または卵形マラリア原虫(P. ovale)に大量曝露または感染した人における感染症の再発予防を目的とした最終期予防(terminal prophylaxis)のため

上記と同様に投与

上記と同様に投与

流行地域からの出発後14日間にわたり連日投与する。使用前にG6PD濃度が正常であることを確認し記録する

禁忌は上記と同様

タフェノキン(tafenoquine)

全ての地域への旅行者における一次予防として

負荷投与のレジメンとして旅行前に200mg,1日1回,3日間,その後マラリア流行地域において,最後の負荷投与の7日後から維持投与として200mg,週1回の投与を開始し,流行地域から出た後に最後の維持投与日から7日後に200mgの最終投与

16歳以上の患者

G6PD欠損症またはG6PDの状態が不明;全ての患者で使用に先立ちG6PD欠損症の検査を行うべきである

妊婦および授乳婦(母乳栄養児のG6PD濃度が正常の場合は除く);既知の過敏症

精神医学的な有害反応が報告されている。

精神疾患の既往がある患者では注意して使用すること

旅行中に三日熱マラリア原虫(P. vivax)または卵形マラリア原虫(P. ovale)に大量曝露または感染した人における最終期予防(terminal prophylaxis)のため

300mg,単回

18歳未満の患者には投与しない

a 予防薬は経口で投与される。有害反応および禁忌については,抗マラリア薬の有害反応および禁忌の表を参照のこと。

b アトバコン/プログアニルの用量固定合剤が利用できる:成人用錠剤(アトバコン250mg/プログアニル100mg)および小児用錠剤(アトバコン62.5mg/プログアニル25mg)がある。吸収を高めるため,薬剤は食物または乳飲料とともに服用させるべきである。アトバコン/プログアニルは,クレアチニンクリアランスが30mL/min未満の患者では禁忌である。この併用療法は,体重が5kg未満の小児または妊婦もしくは授乳婦には推奨されない。

c テトラサイクリン系薬剤の使用は,妊娠中および8歳未満の小児では禁忌である。

d 医師はヒドロキシクロロキンを処方する前に,添付文書を確認すべきである。

e メフロキンは,妊娠中の投与の承認が得られていない。この薬剤は,活動性の抑うつ,最近のうつ病の病歴,全般不安症,精神症,統合失調症,その他の重大な精神疾患,または痙攣発作を有する患者では禁忌である;患者に精神疾患またはうつ病の既往がある場合は慎重に使用すべきである。この薬剤は,心伝導異常を有する患者には推奨されない。

f プリマキンは,三日熱マラリア原虫(P. vivax)および/または卵形マラリア原虫(P. ovale)への長期間曝露に対する治療または予防として,クロロキン,ヒドロキシクロロキン,またはクロロキン耐性マラリアへの活性を有する薬剤を服用した患者において,再発リスクを低減するための最終期予防(terminal prophylaxis)(根治的治療)として利用する。あるいは,三日熱マラリア原虫(P. vivax)の治療または予防のためにクロロキンを投与された患者にはタフェノキン(tafenoquine)の単回投与を行うことができる。プリマキンまたはタフェノキン(tafenoquine)の単剤投与は,マラリア(特に三日熱マラリア[P. vivax])のリスクがある個人の一次予防にも使用できる。プリマキンおよびタフェノキン(tafenoquine)は,G6PD欠損症患者と妊婦または授乳婦(母乳栄養児のG6PD濃度が正常の場合は除く)では禁忌である。

G6PD = グルコース-6-リン酸脱水素酵素。

Adapted from the Centers for Disease Control and Prevention Yellow Book: Infectious diseases related to travel: Malaria.

a 予防薬は経口で投与される。有害反応および禁忌については,抗マラリア薬の有害反応および禁忌の表を参照のこと。

b アトバコン/プログアニルの用量固定合剤が利用できる:成人用錠剤(アトバコン250mg/プログアニル100mg)および小児用錠剤(アトバコン62.5mg/プログアニル25mg)がある。吸収を高めるため,薬剤は食物または乳飲料とともに服用させるべきである。アトバコン/プログアニルは,クレアチニンクリアランスが30mL/min未満の患者では禁忌である。この併用療法は,体重が5kg未満の小児または妊婦もしくは授乳婦には推奨されない。

c テトラサイクリン系薬剤の使用は,妊娠中および8歳未満の小児では禁忌である。

d 医師はヒドロキシクロロキンを処方する前に,添付文書を確認すべきである。

e メフロキンは,妊娠中の投与の承認が得られていない。この薬剤は,活動性の抑うつ,最近のうつ病の病歴,全般不安症,精神症,統合失調症,その他の重大な精神疾患,または痙攣発作を有する患者では禁忌である;患者に精神疾患またはうつ病の既往がある場合は慎重に使用すべきである。この薬剤は,心伝導異常を有する患者には推奨されない。

f プリマキンは,三日熱マラリア原虫(P. vivax)および/または卵形マラリア原虫(P. ovale)への長期間曝露に対する治療または予防として,クロロキン,ヒドロキシクロロキン,またはクロロキン耐性マラリアへの活性を有する薬剤を服用した患者において,再発リスクを低減するための最終期予防(terminal prophylaxis)(根治的治療)として利用する。あるいは,三日熱マラリア原虫(P. vivax)の治療または予防のためにクロロキンを投与された患者にはタフェノキン(tafenoquine)の単回投与を行うことができる。プリマキンまたはタフェノキン(tafenoquine)の単剤投与は,マラリア(特に三日熱マラリア[P. vivax])のリスクがある個人の一次予防にも使用できる。プリマキンおよびタフェノキン(tafenoquine)は,G6PD欠損症患者と妊婦または授乳婦(母乳栄養児のG6PD濃度が正常の場合は除く)では禁忌である。

G6PD = グルコース-6-リン酸脱水素酵素。

Adapted from the Centers for Disease Control and Prevention Yellow Book: Infectious diseases related to travel: Malaria.

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