糞線虫（Strongyloides）の生活環
糞線虫（Strongyloides）属の生活環は，自由生活性サイクルと寄生サイクルが交互に起こるほか，自家感染および宿主内増殖の可能性がある点で，大部分の線虫よりも複雑である。
1.ラブジチス型幼虫が便中に排泄されて土壌に落ちる。
2.そこで，ラブジチス型幼虫は自由生活性の成虫まで発育することもあれば，ヒトの皮膚を通過できる感染性のフィラリア型幼虫となることもある（6）。
3.成虫が交接し，雌虫が産卵する。
4.虫卵からラブジチス型幼虫が孵化する。
5.その幼虫は，自由生活性の成虫（2）まで発育することもあれば，ヒトの皮膚を穿通できる感染性のフィラリア型幼虫となることもある（6）。
6.フィラリア型幼虫がヒトの皮膚に侵入する。
7.幼虫は様々な経路で小腸まで移動し，そこで成虫に生育する。
8.小腸内で，雌の成虫が産卵する。
9.虫卵がラブジチス型幼虫に孵化する。これらの幼虫の大部分は便中に排出される。
10.一部の幼虫は大腸内でフィラリア型幼虫になり，腸壁（体内自家感染）また肛門周囲の皮膚（体外自家感染）から体内に侵入して，通常の感染サイクルをたどる。
Image from the Centers for Disease Control and Prevention, Global Health, Division of Parasitic Diseases and Malaria.
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