一般的に,5つのカテゴリーの補完代替医療が広く受け入れられている:
療法の名前の多くは療法を構成している要素の一部分を表しているにすぎない。
(統合,補完,代替医療の概要も参照のこと。)
全医療系
心身医療
心身医療は,精神的および感情的因子が身体の健康を調節し,それには生体内に張り巡らされた相互依存的な神経,ホルモンや免疫の伝達系が関与しているという理論に基づいている。行動療法や心理療法,社会療法,スピリチュアル療法を用いて,精神が身体に影響を及ぼす能力を高め,それにより健康を維持し,疾患の予防や治療を行う。
心身医療の便益を裏付ける科学的根拠が豊富であることから,こうしたアプローチの多くが今や主流とみなされている。例えば以下の技法は,慢性疼痛や冠動脈疾患,頭痛,不眠症などの治療や分娩時の補助に用いられる:
瞑想,マインドフルネスを含む
これらの技法は,がん患者が疾患に関連した症状や治療に関連した症状に対処できるよう,また手術に対する心の準備を整えるためにも用いられる。
生物学に基づく実践
マニピュレーションや身体をベースにした実践
マニピュレーションや身体をベースにした実践は,主に身体の構造や系(例,骨,関節,軟部組織)に焦点をあてる。これらの実践は,身体には自らを調整したり治癒したりする能力が備わっており,体の各部位は相互依存の関係にあるという考え方に基づく。具体的には以下のものがある:
鍼治療もときにマニピュレーション療法の1つとみなされる。
これらの療法の中には(カッピング,カッサ,灸療法),病変を生じさせるものもあり,外傷や小児虐待の徴候と間違えられることがある。これらの療法は,体のエネルギーを刺激し,毒素を体外に排出できると考えられている。しかし,その効力を評価した質の高い研究はほとんどない。
エネルギー療法
エネルギー療法は,人体の内外に存在すると信じられている微妙なエネルギー領域(バイオフィールドとも呼ばれる)を操作することにより健康状態に影響を与えることを目的とする。全てのエネルギー療法は,普遍的な生命力(気)または微妙なエネルギーが身体の内外に存在するという信条に基づいている。歴史的には,生命力は,まだ解明されていない生物学的過程を説明するものと仮定されていた。生物科学の発展に伴い,この力の存在は退けられた。一部の研究者は,バイオフィールドおよび微妙なエネルギーの存在を探索し続けている。
エネルギー療法は,以下を含むいくつかの療法の1つの構成要素である:
気功および太極拳―中国伝統医学の構成要素であり,緩やかな姿勢,意識的な動き,および呼吸を用いて患者のエネルギーのバランスを改善する