Puss moth caterpillar（asp）による刺傷

チョウ目に属する蛾の一種の幼虫（puss moth caterpillar―Megalopyge opercularis）はaspとも呼ばれる。北米において最も毒性の高いチョウ目の幼虫の1つである。Puss moth caterpillarは米国南部固有であり，民家および学校の周囲や公園内の，木陰を作る木や植込みに生息する。このaspは1年に2度の世代交代をし，晩春と晩秋の二峰性のピークをもつ。綿花または毛皮の房に類似した長い絹状の体毛をもつため，涙のしずくに似た形状をしている。黄色または灰色から赤褐色まで多様な色をもつ。Puss moth caterpillarが虫体をヒトの皮膚に擦りつけたり押し付けたりすると，有毒な体毛が皮膚に入り込む。

毒液注入は，強い拍動痛，灼熱感，および点状の発赤を伴う発疹を引き起こす。より感受性が高い患者では，腫脹，悪心，腹痛，頭痛，リンパ節腫脹，リンパ節炎，ショック，および呼吸窮迫が生じうる。創傷の痛みは通常，1時間以内に沈静化し，点状の発赤は1日で消失する。