セレン中毒

執筆者:Larry E. Johnson, MD, PhD, University of Arkansas for Medical Sciences
レビュー/改訂 2020年 5月
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    セレン(Se)は,多価不飽和脂肪酸から生成されるヒドロペルオキシドを代謝する酵素であるグルタチオンペルオキシダーゼの一部である。セレンはまた,甲状腺ホルモンを脱ヨウ素化する酵素の一部でもある。一般に,セレンはビタミンEとともに機能する抗酸化物質として作用する。

    セレンの血漿中濃度はセレンの摂取量に応じて,8~25μg/dL(0.1~0.3μmol/L)と様々である。

    高用量(900μg/日を超える)で,セレンは中毒を引き起こす。

    セレン中毒の診断は通常臨床的に行い,ときに血中グルタチオンペルオキシダーゼを測定する。

    臨床像としては,脱毛,爪の異常,皮膚炎,末梢神経障害,悪心,下痢,倦怠感,易刺激性,呼気のニンニク臭などがある。

    毒性を示す血漿セレン濃度は,はっきりと定義されていない。

    セレン中毒はセレンの摂取量を減らすことにより治療する。

    ミネラル欠乏症および中毒の概要も参照のこと。)

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