VPSPrは,まれな孤発性プリオン病である(2008年に同定された)。
(プリオン病の概要も参照のこと。)
Variably protease-sensitive prionopathy(VPSPr)の発生率は1億人当たり1~2例である(1)。
VPSPrは,異常プリオンタンパク質(PrPSc)の特徴という点でGerstmann-Sträussler-Scheinker病(GSS)と類似する。しかしながら,GSSとは異なり,プリオンタンパク質遺伝子の変異は同定されていない。
臨床像はクロイツフェルト-ヤコブ病のそれとは異なり,PrPScはプロテアーゼによる分解に対する抵抗性が比較的低い;他のものと比べてプロテアーゼに対する感受性が高い変異型もあり,疾患名のvariably protease-sensitiveはこのことに由来する。
患者は精神症状,発話障害(失語および/または構音障害),および認知障害を呈する。運動失調およびパーキンソニズムを呈することもある。平均発症年齢は70歳であり,生存期間は24カ月である。約42%の患者に認知症の家族歴がみられる(1)。
variably protease-sensitive prionopathy(VPSPr)の診断は困難である。MRI,脳波検査,ならびに14-3-3タンパク質およびタウタンパク質に対する検査は通常役に立たず,PRNP遺伝子のコード領域に変異は観察されていない。RT-QuIC法による髄液検査は一部の症例で陽性となるが,VPSPrではsCJDの場合より感度が低い。
VPSPrに対する治療は支持療法のみである。
参考文献
1.Notari S, Appleby BS, Gambetti P: Variably protease-sensitive prionopathy.Handb Clin Neurol 153:175-190, 2018.doi: 10.1016/B978-0-444-63945-5.00010-6



