現時点で胃食道逆流の定量化に最も頻用されている検査法は,外来24時間食道pHモニタリングまたは同検査と管腔内インピーダンス検査の併用である(1)。主な適応は以下の通りである:
過度の胃酸または胃酸以外の逆流の証明
症状と逆流エピソードとの関連づけ
逆流防止手術の適応判断
内科的または外科的治療の有効性評価
外来pHモニタリングは,患者が胃酸分泌抑制薬を服用している状態でも,そうでない状態でも行うことができる。
胃酸分泌抑制薬を服用していない状態でモニタリングを行えば,胃食道逆流症の診断を確定または除外することができる。胃酸分泌抑制薬を服用していない状態でモニタリングを行い,胃のpHが酸性でなければ,無酸症の診断が確定する。
胃酸分泌抑制薬を服用している状態でモニタリングを行えば,胃酸分泌が十分に抑制されているかどうかや,胃酸分泌抑制療法が不成功に終わったために検査に紹介された患者で食道の胃酸曝露が起きているかどうかを判断することができる。
検査では,経鼻的に持続留置するモニタリングカテーテルか,内視鏡的に下部食道に設置するワイヤレスpHモニタリング機器が使用される。
合併症は非常にまれである。患者は夜半過ぎから絶食しなければならないが,モニタリング機器が装着された後は,普段通り自由に食事を取ることができる。
カテーテルによるpHモニタリング
pHプローブを搭載した細いチューブを下部食道括約筋の5cm上方に留置する。
患者に症状,食事,睡眠を24時間にわたり記録させる。食道の胃酸曝露は,pHが4.0未満であった全記録時間の割合として定義される。胃酸分泌抑制薬を服用していない患者では,pH 4.0未満の経過時間の割合が4.3%を超えた場合を異常とし,検査期間中に胃酸分泌抑制薬を服用している患者では,結果が1.3%を超える場合を異常とする。pHプローブより口側部に沿って複数のセンサーを追加することで,口側への逆流を同定できる。
食道および胃のデュアルチャンネルpHプローブにはカテーテルに沿って2つのpHセンサーが搭載されており,一方は下部食道括約筋の5cm上方に,もう一方は胃内に留置される。この2つのセンサーにより,下部食道内と胃内のpHを同時に測定することが可能である。この検査は,胃酸分泌抑制薬の効果が十分かどうかを評価するのに最も有用である。
pH・インピーダンスモニタリング機器では,食道多チャンネルインピーダンス検査(multichannel intraluminal impedance testing)も可能で,pHの値に関係なく,あらゆる胃内容物の食道への逆流を同定することができる。この検査は,胃酸逆流に加えて,従来のpHモニタリングでは見逃されていたであろう弱酸性逆流(pH 4.0~7)や非酸性逆流(pH 7超)の同定に有用である。
患者が訴える症状と逆流との相関は,symptom indexまたはsymptom association probabilityを用いて評価することができる。Symptom indexまたはsymptom association probabilityの値が顕著な場合は,症状と逆流との相関が偶然の結果ではないことが示唆される。過度の逆流および症状と逆流の有意な相関は,逆流防止手術または経口非切開噴門形成術(transoral incisionless fundoplication:TIF)の良好な成績を予測する因子である。
ワイヤレスpHモニタリング
外来食道pHモニタリングは,食道末端に装着するワイヤレスpHセンサーカプセルを用いても施行可能である。
この機器は内視鏡的に下部食道括約筋から5cm上に留置され,食道の胃酸曝露(pH 4.0未満と定義)を典型的には24時間,ときに最大96時間にわたって継続的にモニタリングする(2)。プローブ法による検査で行うのと同様に,検査中の症状,食事,および睡眠を患者に記録させて,過度の胃酸曝露および症状と逆流の相関(symptom indexまたはsymptom association probability)を同定する。ただし,カプセルは純粋なpHセンサーであるため,検出できるのは胃酸逆流のみである。
カプセルは通常,留置後1週間以内に脱落し,自然に便とともに排出される。留置中のカプセルからデータが無線で送信され,カプセルの回収は必要ない。
参考文献
1.Katz PO, Dunbar KB, Schnoll-Sussman FH, Greer KB, Yadlapati R, Spechler SJ.ACG Clinical Guideline for the Diagnosis and Management of Gastroesophageal Reflux Disease. Am J Gastroenterol.2022;117(1):27-56.doi:10.14309/ajg.0000000000001538
2.Hasak S, Yadlapati R, Altayar O, et al.Prolonged Wireless pH Monitoring in Patients With Persistent Reflux Symptoms Despite Proton Pump Inhibitor Therapy. Clin Gastroenterol Hepatol.2020;18(13):2912-2919.doi:10.1016/j.cgh.2020.01.031



