深部静脈血栓症

レビュー/改訂 2025年 6月 | 修正済み 2025年 7月
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深部静脈血栓症とはどのような病気ですか?

深部静脈血栓症(DVT)とは、太い静脈の中に血栓ができる病気です。ふつう、静脈は脚の深いところにありますが、骨盤の部分や腕にある静脈に血栓ができることもあります。

血栓は、けがをしたときに出血を止めるのを助ける働きをします。しかし、出血が起きていないときにできる血栓は、危険になる可能性があります。

  • 血栓は、本来できるべきではないときに、深いところの静脈にできることがあります。

  • 血栓ができても、何の症状も起きないこともありますが、脚や腕が腫れて、傷つくことがあります。

  • 血栓がくずれて肺まで運ばれることがあり(肺塞栓症)、そうなると呼吸に問題が起こって死んでしまうこともあります。

  • 深部静脈血栓症かどうかを確かめるために、医師が超音波検査をすることがあります。

  • 血栓が大きくならないようするために、また、肺に血栓が移動しないようにするために、医師があなたに薬を出すことがあります。

  • 薬が効かない場合や、あなたが薬を飲むことができない場合は、血栓がくずれて肺に移動しないようにするために、医師が静脈に小さなフィルターを取り付けることがあります。

深いところにある静脈の血栓は、皮膚近くの浅いところにある静脈の血栓よりも危険です。浅いところにある静脈に血栓ができる病気は、表在静脈血栓症といいます。

深部静脈血栓症の原因は何ですか?

深部静脈血栓症のおもな原因は次のとおりです。

  • 静脈が傷ついている:事故などで静脈が傷ついている場合

  • 血液の病気:血栓ができやすくなる病気がある場合

  • ベッドの上で長い間動かないこと:ベッドの上で(たとえば、手術の後や脳卒中などのために)動かないでいるせいで、静脈の中の血液の流れが遅くなってしまう場合

  • ギプスや副子:ギプスや副子で脚を動かないようにしている場合

  • 脚の手術:股関節または膝の人工関節置換術など、脚の手術を受けた場合

次のことに当てはまる場合、あなたは血栓ができる可能性がほかの人より高いです。

  • がんがある

  • 家族の中で遺伝する血栓の病気をもっている

  • 経口避妊薬など、一部の薬を使っている

  • 喫煙者

  • 最近、赤ちゃんを産んだか、手術を受けた

  • 脱水状態(体の中にある水や液体が減りすぎている状態)になっている(特に高齢の場合)

  • 飛行機に乗のっているときなど、長い間座っている

深部静脈血栓症にはどのような症状がありますか?

深部静脈血栓症になった人の半数では、何の症状も現れません。

血栓が最もできやすいのは脚の深いところにある静脈ですが、そこに血栓ができると、ふくらはぎや脚全体が次のようになります。

  • 腫れる

  • 痛くなる

  • 赤くなる

  • さわると痛い

  • 暖かくなる

血栓がくずれて、肺に移動することがあります。そうなると、肺塞栓症という命にかかわる状態になります。この場合、次のような症状が現れます。

  • 息切れ

  • 胸痛

  • 力が入らなくなり(血圧が下がるせいで)めまいがする

深部静脈血栓症にはどのような合併症がありますか?

深部静脈血栓症には、次の2つの合併症があります。

  • 肺塞栓症:血栓の一部がくずれて肺に移動した場合

  • 慢性静脈不全症:血栓によって静脈にいつまでも治らない傷ができた場合

肺塞栓症になると、次のことが起こる可能性があります。

  • 息切れ

  • 胸痛

  • 力が入らなくなり、めまいがする

  • 死亡

慢性静脈不全症になると、傷ついた静脈の中を血液がスムーズに流れなくなります。そのせいで、脚や腕に、いつまでも続く腫れと不快感が残ることがあります。

医師はどのようにして、私が深部静脈血栓症かどうかを判断しますか?

医師は次のような検査で血栓を探します。

  • 超音波

  • 血栓から出てくる物質の量をはかるための血液検査

医師は深部静脈血栓症をどのように治療しますか?

ふつうは次のような治療をします。

  • 血栓がまたできるのを予防するために、血液をサラサラにする薬を使います。

血液をサラサラにする薬が効かない場合や、何らかの理由で使えない場合は、めったにないことですが、医師は次の治療をします。

  • 心臓につながる太い静脈の中に、流れてくる血栓を止めるフィルターを取り付ける(肺塞栓症の予防に役立ちます)

めったにありませんが、とても大きな血栓がある場合は、医師が血栓をとかす薬を静脈から注射することがあります。ただし、血栓をとかす薬は命にかかわる出血を引き起こす可能性があるため、医師がこの治療をすることは、あまりありません。

体をよく動かしても、肺塞栓症が起きる危険性は高まらず、血栓がくずれやすくなることもありません。

深部静脈血栓症はどうすれば予防できますか?

次のようにすれば、深部静脈血栓症が起きる可能性を減らすことができます。

  • 座っているときは足を上げて、30分ごとに10回、足首を曲げのばしして、2時間ごとに歩いたりストレッチをしたりするーこうすると、血液が流れやくすなり、脚のむくみが軽くなります。

  • 血液をサラサラにする薬を医師から処方された場合は、それを飲む

  • この病気が起きる危険性が高いなら、日中は特別なきつめのストッキング(弾性ストッキング)をはくか、脚に巻き付けたものに空気を入れて脚をくり返しもんでくれる機械を使用する(間欠的空気圧迫)

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