心房中隔欠損症と心室中隔欠損症

レビュー/改訂 修正済み 2024年 5月
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心臓には4つの部屋があり、2つは右側に、もう2つは左側にあります。それぞれの部屋は、広がって血液を取りこみ、縮まって血液を送り出します。

  • 上側の2つの部屋(右心房と左心房)は、心臓に血液を取りこみます。

  • 下側の2つの部屋(右心室と左心室)は、血液を送り出します。

  • 右側の2つの部屋は、全身からもどってくる血液を肺に送り出します。

  • 左側の2つの部屋は、肺からもどってくる血液を全身に送り出します。

血液は肺に入り、そこで酸素を取りこみ、二酸化炭素を出します。

心房中隔欠損症と心室中隔欠損症とはどのような病気ですか?

中隔とは、2つの部屋の間の壁のことです。

  • 心房中隔欠損症と心室中隔欠損症とは、心臓の右側と左側を分ける壁に穴があいて起こる病気です。

  • このような穴がある赤ちゃんは、穴があいたまま生まれてきます。

  • 穴があると、心臓を通る血液の流れの一部が、まちがった方向に向かいます。

  • 穴が大きいほど、まちがった方向に流れる血液が多くなります。

心房中隔欠損症は、心臓の上側にある左右2つの部屋(心房)の間に穴があいて起きる病気です。

心室中隔欠損症は、心臓の下側にある左右2つの部屋(心室)の間に穴があいて起きる病気です。

  • 心房中隔欠損症と心室中隔欠損症は、心臓で最もよくある生まれつきの異常の1つです。

  • これらの異常は症状を引き起こさないこともありますが、大きな穴は深刻な問題になることがあります。

  • 医師は心房中隔欠損症と心室中隔欠損症を心エコー検査(心臓の超音波検査)で診断します。

  • 小さな心房中隔欠損症や心室中隔欠損症は、穴が自然に閉じることもあり、その場合はふつう、3才になるまでに閉じます。

  • これらの異常を治すために、医師は手術をすることがあります。

心房中隔欠損症や心室中隔欠損症のある子どもは、そのほかにも心臓の異常をもっていることがあります。

中隔欠損:心臓の壁の穴

中隔欠損症とは、心臓を左側と右側に隔てている壁(中隔)に孔が開いている状態です。心房中隔欠損症は、心臓の上側にある左右2つの部屋(心房)の間に孔が開いている状態です。心室中隔欠損症は、心臓の下側にある左右2つの部屋(心室)の間に孔が開いている状態です。どちらのタイプでも、全身に送り出されるはずの酸素を豊富に含む血液の一部が短絡路に流れてしまいます。これらの血液は全身に送り出されずに肺に戻ってしまうのです。

心房中隔欠損症や心室中隔欠損症の原因は何ですか?

心房中隔欠損症や心室中隔欠損症のある赤ちゃんには、生まれたときからその異常があります。その原因は、医師たちにもよく分かっていません。

心房中隔欠損症と心室中隔欠損症にはどのような症状がありますか?

現れる症状は、穴の大きさとその正確な位置によって大きく変わってきます。

心房中隔欠損症は、ふつうは症状を引き起こしませんが、子どもの成長が予想よりもおくれることがあります。もしあなたのお子さんに大きな心房中隔欠損症があって、治療を受けなければ、大人になってから、次のような健康上の問題が起きるかもしれません:

  • 疲れやすく、息切れしやすい

  • 脳卒中

  • 肺の中で血圧が高くなる(肺高血圧)

小さな心室中隔欠損症は症状を引き起こさないこともあります。しかし、大きな心室中隔欠損症はふつう、赤ちゃんが生後4~6週間のときに問題を引き起こし始めます。次のような症状があります。

  • 呼吸が速くなる

  • 母乳やミルクを飲んでくれない

  • お乳を飲んでいるときに汗をかく

  • 体重が増えるのが遅い

これらは心不全の徴候です。

心室中隔欠損症を治療しなければ、次の症状が起きることがあります。

  • 肺の中で血圧が高くなる(肺高血圧)

医師はどのようにして、私の子どもに心房中隔欠損症や心室中隔欠損症があるかどうかを判断しますか?

医師は、特定の種類の心雑音(心臓に異常な血液の流れがあると生じる異常な音)が聞こえた場合に、心房中隔欠損症や心室中隔欠損症を疑います。医師は次の方法で診断を確定します。

ほかにも次のような検査をします。

  • 心電図検査(心臓の電流を測って紙に記録する、痛みのない検査)

  • 場合によっては、胸のX線検査

医師は心房中隔欠損症と心室中隔欠損症をどのように治療しますか?

小さな心房中隔欠損症や心室中隔欠損症の穴は、子どもが3才になるまでに自然に閉じることがよくあります。治療法は、穴の大きさとお子さんの症状によってちがいます。

子どもが2~3才になるまでに心房中隔欠損症が自然に閉じない場合、医師は次のことをする場合があります。

  • カテーテル(細くてやわらかい管)をお子さんの静脈から心臓のなかに入れて、小さな器具を使って穴をふさぐ

  • ときには、心臓の穴をふさぐ手術

小さな心室中隔欠損症には、ふつう、治療は必要ありません。治療が必要な場合には、医師は次のことをすることがあります。

  • 穴を閉じるための手術

医師はふつう、手術の前に症状を軽くする心臓の薬をお子さんに使います。その薬で治療している間に、穴が自然に閉じることもあります。

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