多発性骨髄腫たはつせいこつずいしゅ

完全なレビュー: 2024年 5月 執筆者:The Manual's Editorial Staff
最終更新日: 2024年 5月
v34452486_ja
プロフェッショナル版を見る
家庭版で詳しい説明を読む

血液けつえきの細胞さいぼうである血球けっきゅうには、いくつかの種類しゅるいがあります。

  • 赤血球せっけっきゅうは、酸素さんそを運はこんでいます。

  • 白血球はっけっきゅうは、感染症かんせんしょうから体からだを守まもっています。

  • 血小板けっしょうばんは、出血しゅっけつが起おきたときに血液けつえきが固かたまるのを助たすけます。

形質細胞けいしつさいぼうは特殊とくしゅな白血球はっけっきゅうの一種いっしゅです。形質細胞けいしつさいぼうは抗体こうたいを作つくります。抗体こうたいは、感染症かんせんしょうやがんに対たいする身体しんたいの自然しぜん防御ぼうぎょの一部いちぶを構成こうせいするタンパク質しつです。抗体こうたいは外来がいらい細胞さいぼうを見みつけ攻撃こうげきします。

骨髄こつずいは骨ほねの中心ちゅうしんにあります。血液中けつえきちゅうのほとんどの細胞さいぼうは骨髄こつずいで作つくられます。幹細胞かんさいぼうと呼よばれるものから、さまざまな血液細胞けつえきさいぼうが発達はったつします。

多発性骨髄腫たはつせいこつずいしゅとはどのような病気びょうきですか?

多発性骨髄腫たはつせいこつずいしゅは形質細胞けいしつさいぼうのがんです。形質細胞けいしつさいぼうの1つが骨髄こつずいの中なかで際限さいげんなく増殖ぞうしょくして、そのコピーがたくさんつくられます。

  • 多発性骨髄腫たはつせいこつずいしゅは、しばしば骨ほねの痛いたみ、骨折こっせつ、腎不全じんふぜんを引ひき起おこします。

  • 多発性骨髄腫たはつせいこつずいしゅの人ひとの平均年齢へいきんねんれいは65才さいくらいです。

  • 医師いしは血液検査けつえきけんさと尿検査にょうけんさ、それに骨髄生検こつずいせいけん(骨髄こつずいを少すこしだけ取とって、それを顕微鏡けんびきょうで調しらべる検査けんさ)をして、多発性骨髄腫たはつせいこつずいしゅと診断しんだんします。

  • 医師いしは普通ふつう、化学療法かがくりょうほうとコルチコステロイドで、また場合ばあいにより造血幹細胞移植ぞうけつかんさいぼういしょくという方法ほうほうで、このがんを治療ちりょうします。

多発性骨髄腫たはつせいこつずいしゅはどのような問題もんだいを引ひき起おこしますか?

がんになった形質細胞けいしつさいぼうが:

  • 近ちかくにある健康けんこうな骨ほねに侵入しんにゅうします。

  • 骨髄こつずいの中なかの正常せいじょうな細胞さいぼうを押おし出だします。

  • 1種類しゅるいの抗体こうたいをたくさんつくります。

骨ほねに侵入しんにゅうされると、骨ほねが痛いたくなり、骨折こっせつが起おきやすくなります。

異常いじょうな細胞さいぼうで骨髄こつずいがいっぱいになると、正常せいじょうな血液細胞けつえきさいぼうが十分じゅうぶんにつくられなくなります。赤血球せっけっきゅうが足たりなくなると、貧血ひんけつ(血球数けっきゅうすうの減少げんしょう)になります。健康けんこうな白血球はっけっきゅうが足あしたりなくなると、感染症かんせんしょうになる危険性きけんせいが高たかまります。血小板けっしょうばんが足たりなくなると、大変たいへんな出血しゅっけつが起おきる可能性かのうせいがあります。

がんになった形質細胞けいしつさいぼうによってつくられる過剰かじょうな抗体こうたいは、正常せいじょうに働はたらかないため、感染症かんせんしょうに対たいする防御ぼうぎょには役立やくだちません。その一方いっぽうで、腎臓じんぞうの血管けっかんがつまって、腎不全じんふぜんを引ひき起おこすことがあります。

多発性骨髄腫たはつせいこつずいしゅの原因げんいんは何なんですか?

多発性骨髄腫たはつせいこつずいしゅの原因げんいんは医師いしたちにも分わかっていませんが、次つぎのような可能性かのうせいがあると考かんがえられています。

  • なりやすい体質たいしつが家族かぞくの中なかで受うけつがれる

  • 一部いちぶのものは、放射線ほうしゃせんや特定とくていの化学物質かがくぶっしつにさらされすぎることが原因げんいんで起おきる

多発性骨髄腫たはつせいこつずいしゅにはどのような症状しょうじょうがありますか?

最もっともよくみられる症状しょうじょうは、次つぎのものです。

  • 骨ほねの痛いたみ、普通ふつうは股関節こかんせつ、背骨せぼね、肋骨ろっこつ、頭蓋骨ずがいこつ

合併症がっぺいしょうのために、そのほかの症状しょうじょうが出でることもあります。

  • 貧血ひんけつ(血球数けっきゅうすうが少すくなくなった状態じょうたい)による疲労感ひろうかんと脱力感だつりょくかん

  • 発熱はつねつと寒気さむけを引ひき起おこす感染症かんせんしょう

  • 血液けつえきの凝固ぎょうこに問題もんだいがあることによる異常いじょうなあざや出血しゅっけつ

医師いしはどのようにして、私わたしが多発性骨髄腫たはつせいこつずいしゅかどうかを判断はんだんしますか?

医師いしは次つぎのことをします。

  • さまざまな種類しゅるいの血球けっきゅうと抗体こうたいの量りょうを測定そくていするための血液検査けつえきけんさ

  • 骨髄腫こつずいしゅによってつくられた抗体こうたいやそのほかのタンパク質しつの量りょうを測定そくていするための尿検査にょうけんさ

  • 痛いたみがある骨ほねがあれば、そのX線検査せんけんさ

これらの検査けんさで多発性骨髄腫たはつせいこつずいしゅの可能性かのうせいが疑うたがわれる場合ばあい、医師いしは次つぎのことをします。

  • 骨髄生検こつずいせいけん(骨髄こつずいを少すこしだけ取とって、それを顕微鏡けんびきょうで調しらべる検査けんさ)

  • 骨髄腫こつずいしゅの影響えいきょうを受うけている骨ほねがどれかを調しらべるための、体からだのすべての骨ほねを対象たいしょうとするX線検査せんけんさ(全身ぜんしん骨こつX線検査せんけんさ)

医師いしは多発性骨髄腫たはつせいこつずいしゅをどのように治療ちりょうしますか?

医師いしは、がんの増殖ぞうしょくを遅おくらせ、症状しょうじょうを軽かるくするための治療ちりょうをします。多発性骨髄腫たはつせいこつずいしゅを完全かんぜんに治なおすことはできませんが、長ながく生いきられる可能性かのうせいもあります。

医師いしは次つぎのものを投与とうよすることがあります。

場合ばあいにより、造血幹細胞移植ぞうけつかんさいぼういしょくという治療ちりょうをすることもあります。

  • 健康けんこうな幹細胞かんさいぼうをあなた自身じしんから、または他ほかの人ひとから採取さいしゅします。

  • その後ご、異常いじょうな形質細胞けいしつさいぼうをすべて殺ころせる強力きょうりょくな化学療法かがくりょうほうを行おこないます。

  • 次つぎに、正常せいじょうな幹細胞かんさいぼうを、静脈じょうみゃくを通とおして、あなたの体内たいないに戻もどします。

  • すると、それらの幹細胞かんさいぼうが骨髄こつずいの中なかに移動いどうし、そこで正常せいじょうな血球けっきゅうを作つくるようになります。

多発性骨髄腫たはつせいこつずいしゅに対たいする新あたらしい薬くすりがかなりよく効きくことから、造血幹細胞移植ぞうけつかんさいぼういしょくが行おこなわれることは少すくなくなっています。

quizzes_lightbulb_red
医学知識をチェックTake a Quiz!
ANDROID iOS
ANDROID iOS
ANDROID iOS