痛いたみの概要がいよう

完全なレビュー: 2025年 10月 執筆者:The Manual's Editorial Staff
最終更新日: 2025年 10月
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痛いたみは、けがをしたかもしれないことを知しるために起おきる、不快ふかいな感覚かんかくです。

痛いたみの原因げんいんは何なんですか?

切きり傷きず、やけど、骨折こっせつ、ねんざ、あざなど、けがをすると、その傷きずの周まわりにある痛いたみの受容器じゅようきが活性化かっせいかされます。

  • 痛いたみの受容器じゅようきは、長ながい神経線維しんけいせんいの先端せんたんにあります。

  • その線維せんいを通とおって、痛いたみの信号しんごうが脊髄せきずいまで伝つたえられます。

  • その後ご、脊髄せきずいの中なかにあるほかの神経しんけいを通とおって、痛いたみの信号しんごうが脳のうまで伝つたえられます。

  • 脳のうで痛いたみの信号しんごうが処理しょりされて初はじめて、あなたは痛いたみを感かんじます。

神経しんけいは、体からだに傷きずがないのに、痛いたみの信号しんごうを送おくることがあります。これは、糖尿病とうにょうびょうなどの病気びょうきによって神経しんけいが傷きずついた場合ばあい(糖尿病性神経障害とうにょうびょうせいしんけいしょうがいといいます)や、けがで神経しんけいがつぶれたり、切きれたりした場合ばあいに起おこります。神経しんけいが傷きずつくことによって起おきる痛いたみを、神経障害性疼痛しんけいしょうがいせいとうつうといいます。

関連痛かんれんつうとは、体からだのある部分ぶぶんの痛いたみを別べつの部分ぶぶんで起おきたように感かんじることです。たとえば、心臓発作しんぞうほっさによる痛いたみは、心臓しんぞうが胸むねにあるため、普通ふつうは胸むねに感かんじます。しかし、心臓発作しんぞうほっさが起おきると、首くび、あご、または左腕さわんに痛いたみを感かんじることがあります。これは、これらの部位ぶいからの痛いたみの信号しんごうが心臓しんぞうの神経しんけいの近ちかくにある神経しんけいを伝つたわるためです。

不安ふあん、抑よくうつ、または睡眠障害すいみんしょうがいがあると、痛いたみがふだんよりも不快ふかいに感かんじられることがあります。

医師いしは痛いたみをどのように治療ちりょうしますか?

医師いしはまず、あなたの痛いたみを引ひき起おこしている異常いじょうを治療ちりょうします。たとえば、骨折こっせつがある場合ばあいには、医師いしは骨ほねの向むきを整ととのえて、ギプスをつけます。

また、医師いしはあなたに痛いたみ止どめの薬くすりを出だすこともあります。次つぎのように、薬くすりの種類しゅるいによって、痛いたみの通とおり道みちのどこに働はたらきかけるかがちがいます。

  • 皮膚ひふにぬって感覚かんかくを失うしなわせる(麻酔薬ますいやく)クリームやジェルは、痛いたみの受容器じゅようきの働はたらきを止とめます。

  • 皮膚ひふや太ふとい神経しんけいに麻酔薬ますいやくを注射ちゅうしゃすれば、そこの神経しんけいを通とおる痛いたみの信号しんごうを止とめることができます。

  • 脊髄せきずいの周まわりに麻酔薬ますいやくを注射ちゅうしゃすれば(赤あかちゃんを生うむときの硬膜こうまく外そと麻酔ますいなど)、脊髄せきずいを通とおる痛いたみの信号しんごうを止とめることができます。

  • 口くちから飲のむか注射ちゅうしゃする痛いたみ止どめの薬くすり(鎮痛薬ちんつうやく)は、全身ぜんしんにわたって痛いたみの信号しんごうに作用さようします。

神経障害性疼痛しんけいしょうがいせいとうつうの場合ばあい、医師いしはあなたに抗こううつ薬やくや抗こうてんかん薬やくを使つかわせることがあります。これらの薬くすりは、たとえ抑よくうつやけいれん発作ほっさがなくても、神経しんけいの信号しんごうに働はたらきかけて痛いたみをやわらげます。

薬くすりを使つかわない痛いたみの治療法ちりょうほうには、どのようなものがありますか?

痛いたみの治療法ちりょうほうの中なかには、薬くすりを使つかわないものもあります。

  • 経皮的電気神経刺激けいひてきでんきしんけいしげき(TENS)という方法ほうほうでは、皮膚ひふにつけた小ちいさなパッドから、弱よわい電流でんりゅうを流ながします。電流でんりゅうはチクチク感かんじますが、電気でんきショックのような感覚かんかくはしません。痛いたみがなくなるわけではありませんが、一部いちぶの人ひとには効果こうかがあります。

  • 医師いしが脊髄せきずいに電気刺激でんきしげきを与あたえることもできます。脊髄せきずいの周まわりに小ちいさなワイヤー電極でんきょくを埋うめ込こみ、痛いたみの信号しんごうをじゃまする信号しんごうを送おくります。

  • 鍼はり治療ちりょうでは、体からだの特定とくていの部分ぶぶんに細ほそい針はりをさし、何分なんぷんかたった後あとに、その針はりをぬきます。その針はりに弱よわい電流でんりゅうを流ながすこともあります。それらの針はりは痛いたみをやわらげるのに役立やくだつようですが、その理由りゆうは、医師いしたちにもはっきりとは分わかっていません。

  • バイオフィードバック法ほう、リラクゼーション訓練くんれん、呼吸法こきゅうほう、催眠術さいみんじゅつなど、特殊とくしゅな心理的しんりてきな方法ほうほうが、あなたが痛いたみに対処たいしょするのに役立やくだつこともあります。

オピオイドとは何なんですか?

オピオイドは、最もっとも強つよい種類しゅるいの痛いたみ止どめの薬くすりです。もともとはケシ(英語えいごではオピウム)から取とれたため、オピオイドといいます。今いまでも、植物しょくぶつから作つくられるオピオイドもありますが、多おおくのものは人工的じんこうてきに作つくられています。モルヒネ、オキシコドン、フェンタニル、コデインなど、オピオイドにはさまざまな種類しゅるいがあります。

オピオイドは、やけど、骨折こっせつ、がんなどによる本当ほんとうほんとうにひどい痛いたみをやわらげるのに適てきしています。しかし、オピオイドでは深刻しんこくな副作用ふくさようが起おこる可能性かのうせいがあるため、医師いしたちは、それほどひどくない問題もんだいには、これを使つかわないようにします。

オピオイドにはどのような副作用ふくさようがありますか?

オピオイドは、あなたを眠ねむくして、リラックスさせます。多おおく飲のみすぎると、次つぎのことが起おこる可能性かのうせいがあります。

  • 頭あたまがとても混乱こんらんする

  • 気きを失うしなう

  • 呼吸こきゅうが止とまり、死しんでしまう

毎年まいとしたくさんの人ひとが、まちがってオピオイドを飲のみすぎたせいで、亡なくなっています。

ほかによくあるオピオイドの副作用ふくさようとしては、次つぎのものがあります。

  • 吐はき気け

  • 便秘べんぴ(排便はいべんできない)

  • かゆみ

私わたしはオピオイド依存症いぞんしょうになりませんか?

オピオイドを使つかうと、気分きぶんがよくなります。オピオイドを使つかい始はじめると、やめるのがとても難むずかしくなることがあります。そうなるせいで、物質ぶっしつ使用しよう症しょうになることもあります。やめるのが難むずかしい理由りゆうの1つは、離脱症状りだつしょうじょうが現あらわれることです。

オピオイドの離脱症状りだつしょうじょうは、オピオイドの使用期間しようきかんが1週間しゅうかんより短みじかくても現あらわれることがあります。薬くすりを使つかっている期間きかんが長ながいほど、離脱症状りだつしょうじょうはひどくなります。オピオイドの離脱症状りだつしょうじょうとしては、次つぎのものがあります。

  • 不安ふあんを感かんじ、ビクビクする

  • 鼻水はなみずや涙目なみだめ

  • あくびが出でて、汗あせをかく

  • 胃いのけいれん、吐はき気け、嘔吐おうと

幸さいわい、オピオイドの離脱症状りだつしょうじょうのために死しんでしまうことはありません。

できるだけ依存症いぞんしょうにならないようにするため、医師いしは次つぎのようにします。

  • オピオイドは、ほかの治療法ちりょうほうでコントロールできない痛いたみにだけ使つかう

  • オピオイドを処方しょほうする期間きかんをできるだけ短みじかくする

非ひステロイド系抗炎症薬けいこうえんしょうやく(NSAID)とは何なんですか?

非ひステロイド系抗炎症薬けいこうえんしょうやく(NSAID)は、アスピリンやイブプロフェンなどの痛いたみ止どめの薬くすりです。オピオイドではありません。痛いたみを和やわらげ、関節かんせつ炎えんで関節かんせつに炎症えんしょうが起おきた場合ばあいなどの炎症えんしょうを抑おさえます。オピオイドほど強力きょうりょくではありませんが、とても効果こうかがあります。

NSAIDにはどのような副作用ふくさようがありますか?

オピオイドとはちがって、NSAIDは、眠気ねむけを引ひき起おこしたり、呼吸こきゅうを止とめたりすることがありません。しかし、NSAIDには次つぎの副作用ふくさようがあります。

  • 胃いがあれて、痛いたみを引ひき起おこす

  • 胃いや脳のうからの出血しゅっけつなど、出血しゅっけつが起おきる危険性きけんせいを高たかめる

  • 体内たいないに水分すいぶんがたまり、腎臓じんぞうに問題もんだいが起おきる

  • 一部いちぶのNSAIDは心臓発作しんぞうほっさや脳卒中のうそっちゅうの危険性きけんせいを高たかめる

痛いたみ止どめの薬くすりには、ほかにどのようなものがありますか?

アセトアミノフェンは、とてもよく使つかわれている痛いたみ止どめです。オピオイドではなく、NSAIDと同おなじくらいの効果こうかがありますが、胃いがあれたり、出血しゅっけつが起おきやすくなったりすることはありません。しかし、アセトアミノフェンを使つかいすぎると、肝臓かんぞうが傷きずついてしまうことがあります。

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