副鼻腔炎と副鼻腔感染症についてすべての患者が知っておくべきこと

コラム25年2月25日 Marvin P. Fried, MD, Montefiore Medical Center, The University Hospital of Albert Einstein College of Medicine

副鼻腔炎かぜをひいて何日かたてば、はやくよくなっていつもの生活に戻りたいと思うものです。しかし、必ずしもそうなるとは限りません。

ときに、鼻づまりや鼻水に加えて疲労や頭痛もみられることがあります。このような症状がみられたら、副鼻腔炎という副鼻腔の感染症にかかっているサインです。副鼻腔炎は最も多い病気の1つですが、だからといってかかっているときの不快感が和らぐわけではありません。症状をコントロールして、より危険な合併症のリスクを減らすためには、この病気について理解すること、そして効果的に治療するために取るべき手順を知ることが最善の方法です。

ここでは、副鼻腔炎を他の呼吸器疾患と区別する上で患者が知っておくべき5つのポイントを紹介します。

1.副鼻腔炎には多くの原因が考えられる

頭蓋内には、鼻腔を取り囲むように4種類の副鼻腔が存在しています。副鼻腔炎とは、これらの副鼻腔のいずれかに起こる炎症を総称した用語です。副鼻腔炎は、かぜなどのウイルス性上気道感染症によって引き起こされることが多く、それによって液体の貯留が生じます。他にも、細菌や季節性アレルギーなどの様々な原因によって粘膜の腫れが生じ、その結果、副鼻腔炎が起こります。また、ほこりの粒子や煙のような刺激物によっても腫れが生じ、副鼻腔炎につながります。特定の真菌も副鼻腔の感染症を引き起こすことがあります。鼻茸(鼻ポリープ)も副鼻腔炎に関連している場合があります。

2.副鼻腔炎には特徴的な症状がある

副鼻腔炎は他の呼吸器疾患と密接に関連しています。副鼻腔炎では鼻腔の炎症が起こることが多く、その結果、鼻がつまったり、濁った鼻水や色のついた鼻水が生じたりします。

また、注意すべき特徴的な症状がいくつかあります。副鼻腔炎は他の呼吸器疾患よりも痛みが強いことがよくあります。副鼻腔内に圧力がかかって、頬の腫れや痛み、眼の奥の痛み、頭痛が生じます。疲労もポイントとなる症状の1つです。副鼻腔炎では、アレルギーやかぜの場合よりも体力が消耗しているように感じ、強い疲労感が生じます。

3.重症度やタイミングによって治療が異なる

副鼻腔炎のもう一つの重要なポイントとしてタイミングがあります。かぜは1週間から10日間程度で治まる傾向があります。2週間経ってもよくならない場合は、医師の診察を受けて副鼻腔炎かどうかを確認するタイミングです。まずはかかりつけ医の予約をとり、病気と症状の詳細な経過を説明できるように準備しておきましょう。副鼻腔炎の診断は、医師がその情報と身体診察の結果に基づいて行います。場合によっては、診断のゴールドスタンダードであるCT検査を行うこともあります。

副鼻腔炎によって発熱やひどい痛みが起こっていて、10日以上続いている場合には、医師は抗菌薬を処方することがあります。また、医師は通常、副鼻腔にたまっているものが排出されやすくなるよう、自宅で以下のような対処法を実践するよう勧めます。

  • 熱いシャワーから蒸気を吸い込む
  • 蒸しタオルで副鼻腔のあたりを覆う
  • 温かい飲みものを飲む
  • 生理食塩水で鼻洗浄を行う
  • 市販のスプレー式の鼻閉改善薬を使用する

4.副鼻腔炎は慢性化する可能性がある

単発で起こる副鼻腔感染症は急性副鼻腔炎と呼ばれます。副鼻腔炎のうち、90日以上続くものは慢性副鼻腔炎と定義されています。慢性副鼻腔炎の正確な原因は分かっていませんが、慢性の炎症を引き起こす要因が関与しています。副鼻腔炎は亜急性(30~90日間続く)や再発性(急性副鼻腔炎が年に4回以上発生する)の場合もあります。慢性副鼻腔炎では一般に急性副鼻腔炎と同様の症状がみられます。

慢性副鼻腔炎が疑われると、多くの場合は、耳、鼻、のどの専門医である耳鼻咽喉科医に紹介されます。治療はより積極的なものになる傾向があり、さらに強力な抗菌薬やステロイド内服薬などの薬が使用される可能性があります。最終的には、副鼻腔炎の原因に応じて、手術が勧められることがあります。

5.診断を受けることが極めて重要である

細菌感染が眼や脳に広がると、深刻な医学的リスクが生じる可能性があります。副鼻腔炎の症状が2週間以上続いている場合には、適切なケアを受けることが極めて重要です。子どもや高齢者、易感染状態にある人は特に注意が必要です。

副鼻腔炎とその合併症を予防するためには、そもそも感染しないようにすることが最善の方法です。これは言うほど簡単なことではなく、冬の間は特に難しくなります。しかし、健康を維持するための努力をすることで違いを生むことができます。手洗いを励行し、病気にかかっている人とは安全な距離を保つようにしましょう。そして、病気になってしまったら、無理をせず養生しましょう。十分な睡眠をとり、無理のない回復を優先することは、副鼻腔炎を防ぐにはよい方法です。

副鼻腔炎に関する詳しい情報については、「MSDマニュアル」または「やさしくわかる病気事典」の該当するページをご覧ください。