腰痛の主な原因と特徴

原因

一般的な特徴*

検査†

一般的な原因

ねんざと挫傷

以下に該当する痛み

  • 脊椎の左右片側か両側にしばしば起こる

  • 動かすとひどくなり、安静にしていると和らぐ

  • 典型的には物を持ち上げるとき、前かがみになるとき、体をひねるときに生じる

医師の診察

変形性関節症、ときに脊髄神経根の圧迫を伴う

脊椎の特定の部分の痛み、ときに以下に該当する

  • 立ち上がると悪化する

  • 座ると和らぐ

  • 片脚を下っていく

  • しびれや筋力低下を伴う

通常は高齢者にみられ、他の関節の痛みや変形がある

X線検査

ときにMRI検査またはCT検査(神経根の痛みを引き起こすほど重度の変形性関節症に対して)

脊椎圧迫骨折

ときに突然発生する、脊椎の特定の部分の痛み

通常は、高齢者や骨粗しょう症の患者にみられる

X線検査

ときにCT検査またはMRI検査

椎間板ヘルニア、通常は脊髄神経根の圧迫を伴う

脊椎の特定の部分の痛み、通常は以下に該当する

  • 片脚を下っていく

  • しびれや筋力低下を伴う

  • せきやくしゃみをしたり、いきんだり、前かがみになることで悪化する

医師の診察

ときにMRI検査

まれにCT検査

腰部脊柱管狭窄症

以下に該当する、腰のあたりの脊椎の特定の部分に起こる痛み

  • 背中を伸ばすことで悪化する(歩いたり体を後ろに反らす場合など)

  • 前かがみになるか座ると和らぐ

  • 片脚または両脚を下っていく

通常は高齢者にみられる

医師の診察

ときにMRI検査

脊椎すべり症、ときに脊髄神経根の圧迫を伴う

ときに以下に該当する背部痛

  • 青年の場合、脊椎の片側に現れ、片脚を下っていくことがあり、骨折を伴うことがある

  • 成人の場合、脊椎の特定の部分に現れ、両脚を下っていき、組織の変性を伴う

  • しびれや筋力低下を伴う

  • 立ち上がるか体を後ろに反らすことで悪化する

X線検査

MRI検査またはときにCT検査

線維筋痛症

体の多数の部位(腰だけに限らない)にみられる、うずくような痛みとこわばり

触れると痛みを感じる部位がある

よく眠れないことが多い

若い女性や中年の女性に最も多くみられる

医師の診察

あまり一般的でない原因

強直性脊椎炎(脊椎や大きな関節の炎症)

こわばりがあり、しばしば起床直後に強い

背中の柔軟性がだんだんなくなっていき、しばしば背中が前方に丸まる

ときに、痛みを伴う眼の充血や他の関節の痛み

若い男性によくみられる

X線検査またはときにMRI検査

血液検査

馬尾症候群

鼠径部や肛門周辺のしびれ

尿失禁便失禁

MRI検査

帯状疱疹(たいじょうほうしん)

体の左右どちらかの皮膚に帯状に痛みが現れるが、両側に現れることはない

通常、多くの場合は痛みが出始めてから、痛みがある帯状の皮膚領域に水疱ができる

医師の診察

がん

体勢や活動にかかわらず悪化していく痛み

ときに食欲不振や体重減少

通常はX線検査

MRIまたはCT検査

感染症

体勢や活動にかかわらず悪化していく、持続的な痛み

ときに発熱や寝汗

背中の手術を受けたことがある人、免疫疾患の患者、免疫系の働きを抑制する薬を飲んでいる人、静脈に注射する薬を使用している人によくみられる

通常はX線検査

MRIまたはCT検査

血液検査

*特徴としては症状や診察結果を示しています。ここに示されている痛みなどの特徴は典型的なものですが、常に当てはまるわけではありません。

†治療せずに痛みがなくなり、警戒すべき徴候がなければ、検査は必要ないことがあります。

CT = コンピュータ断層撮影、MRI = 磁気共鳴画像