片頭痛の治療に用いられる主な薬剤

種類

主な副作用

予防

抗てんかん薬

ジバルプロエックス(divalproex)

バルプロ酸

脱毛、胃の不調、肝機能障害、出血傾向、振戦(ふるえ)、体重増加

妊娠中の片頭痛患者には使用できない

トピラマート

体重減少、錯乱、抑うつ

ベータ遮断薬

アテノロール

メトプロロール

ナドロール

プロプラノロール

チモロール

気道のけいれん(気管支れん縮)、異常な心拍数の低下(徐脈)、疲労、不眠、心不全の悪化、性機能障害

血糖値の変化(糖尿病患者では、血糖値が過度に低下する時期を予測しにくくなることがある)

一部のベータ遮断薬は、脂質(脂肪)値に悪影響を与える

ボツリヌス毒素(神経の活動を遮断するために用いられる)

A型ボツリヌス毒素

首の痛みと項部硬直

顔面や、ときに首の筋力低下

カルシウム拮抗薬

ベラパミル

めまい、低血圧、筋力低下

便秘

ジタン系薬剤*

ラスミジタン

めまいと眠気

モノクローナル抗体

エレヌマブ

フレマネズマブ

ガルカネズマブ

注射部位の痛みと刺激感、便秘

非常にまれに、アレルギー反応

三環系抗うつ薬

アミトリプチリン

眠気、体重増加、心拍数増加、口腔乾燥、錯乱、便秘

重度の片頭痛の治療

制吐薬(吐き気を抑えるために用いられる)

メトクロプラミド

プロクロルペラジン

低血圧、眠気、不随意運動、筋肉のけいれん

麦角誘導体

ジヒドロエルゴタミン

使用回数が多すぎる場合、薬物乱用頭痛(反跳頭痛)

吐き気、嘔吐、筋肉の軽いけいれん

まれに、心筋への血液供給不足による胸痛(狭心症)

ゲパント系薬剤*

リメゲパント(rimegepant)

ウブロゲパント(ubrogepant)

ほとんどなし

トリプタン系(5-ヒドロキシトリプタミン[5-HT]作動薬、セロトニン作動薬)

アルモトリプタン(almotriptan)

エレトリプタン

フロバトリプタン(frovatriptan)

ナラトリプタン

リザトリプタン

スマトリプタン

ゾルミトリプタン

使用回数が多すぎる場合、薬物乱用頭痛

紅潮、ピリピリ感、めまい、眠気、吐き気、のどや胸の圧迫感や痛み

オピオイド

コデイン

ペチジン

オキシコドン

使用回数が多すぎる場合、薬物乱用頭痛

呼吸抑制、便秘、尿閉(膀胱に尿がたまっても排尿できない状態)、眠気、吐き気

軽度から中等度の片頭痛の治療

鎮痛薬

アセトアミノフェン

使用回数が多すぎる場合、薬物乱用頭痛

ときに発疹

制吐薬

メトクロプラミド

プロクロルペラジン

低血圧、眠気、不随意運動、筋肉のけいれん

非ステロイド系抗炎症薬(NSAID

アスピリン

イブプロフェン

インドメタシン

ケトロラク

ナプロキセン

使用回数が多すぎる場合、薬物乱用頭痛

胃炎(胃の炎症)や消化性潰瘍

インドメタシンでは、抑うつ、けいれん発作、振戦の悪化(可動性の低下と筋肉のこわばりを伴う)、高齢者では、めまいと錯乱

ケトロラクを乱用している場合、ときに腎機能障害

*ジタン系薬剤は、軽度から中等度の片頭痛の治療、および重度の片頭痛の治療にも使うことができます。

†オピオイドは、片頭痛による重度の痛みがあり、他の治療で効果がない場合の最後の手段として用いるべきです。