妊娠していない女性における性器出血の主な原因

妊娠していない女性における性器出血の主な原因
原因	一般的な特徴*	診断のアプローチ
妊娠可能年齢
ホルモンバランスの崩れ（排卵障害）	通常は月経不順ときに、典型的な月経と比べて出血期間が長かったり、出血量が多かったりする	血液検査と通常は経腟超音波検査（超音波装置を腟内に挿入して行う検査）など、ほかに考えられる原因を否定するための検査
子宮筋腫（子宮の筋肉層にできる腫瘍）	たいていは無症状筋腫が大きい場合、ときに骨盤部の痛み、圧迫感、または重感	経腟超音波検査ときにソノヒステログラフィー（子宮内に液体を注入してから行う超音波検査）超音波検査の結果がはっきりしない場合はMRI検査
甲状腺機能低下症	遅い心拍体重増加寒さに耐えられない乾燥して荒れた皮膚特徴的な顔つきになり、表情が乏しい反応の鈍化	甲状腺ホルモンを測定する血液検査
妊娠性絨毛性疾患（妊娠に関連して胎盤の異常組織が増殖する）	重度の吐き気および嘔吐腹部が正常な妊娠時と比べてはるかに速く大きくなる	妊娠検査経腟超音波検査
多嚢胞性卵巣症候群	不規則な月経または無月経過剰な体毛（男性型多毛症）やにきびときに肥満ときに、わきの下やうなじ、皮膚がこすれ合う部分の皮膚の黒ずみと肥厚	デヒドロエピアンドロステロン硫酸エステル（DHEAS）やテストステロンなどのホルモン濃度を測定する血液検査経腟超音波検査
子宮頸管ポリープまたは子宮ポリープ	ときに無症状月経期以外の時期または性交後に起こる出血	内診ときに経腟超音波検査、ソノヒステログラフィー、または子宮鏡検査（腟から観察用の管状の機器を挿入して子宮内を観察する検査）ときにがんの有無を確認するために顕微鏡下でのポリープ組織の評価（ポリープ切除の術後）
認識されていない妊娠による合併症流産（自然流産）または流産の可能性（切迫流産）異所性妊娠（通常の子宮内ではなく、異常な位置での妊娠）	鋭いまたは差し込むような骨盤痛または腰痛ときに腟からの組織の排出（流産で通常みられる）異所性妊娠が破裂すると、持続する重度の骨盤痛のほか、ときにふらつき、失神、または危険なレベルの血圧低下（ショック）	妊娠検査経腟超音波検査異所性妊娠が疑われる場合、ときに腹腔鏡検査（細い管状の機器を腹部に挿入して内部を観察する検査）または開腹（医師が臓器を直接観察できるよう、腹部を大きく切開する）
経口避妊薬または他のホルモン剤による避妊法を用いてから通常は最初の数カ月間に、少量の性器出血または月経期以外の出血（破綻出血）	多くの場合、他の症状はみられない	ときに他の原因の可能性を否定するための経腟超音波検査
閉経後
腟粘膜が薄くなる†	腟の乾燥性交時の痛み	おりもののサンプルの顕微鏡検査と分析
子宮内膜の肥厚（子宮内膜増殖症）または子宮内膜のがん（子宮内膜がん）	多くの場合、他の症状はみられないときに新たな性器出血がみられる	ときに経腟超音波検査、ソノヒステログラフィー、または子宮鏡検査子宮内膜から採取した組織の生検
子宮頸がん	たいていは進行するまで無症状ときに性器出血（しばしば腟での性交後）または茶色のおりものや血が混じったおりもの徐々に現れる骨盤痛ときに体重減少	子宮頸部細胞診コルポスコピー（顕微鏡で子宮頸部を観察する検査で、しばしば同時に子宮頸部の生検を行う）ときに超音波検査やCT検査などの骨盤部の画像検査
すべての年齢層
薬剤、肝疾患、または遺伝性疾患（フォン・ヴィレブランド病など）による出血性疾患	あざができやすい歯磨き中や軽い切り傷からの過度の出血皮下出血を示唆する小さな赤紫色の点状の発疹（点状出血）またはそれより大きなしみ（紫斑）	血算（血小板数を含む）血液凝固能を評価する血液検査
けが（性的虐待によるものを含む）	ときにけがの既往しばしばおりもの	ときに医師の診察のみ性的虐待が疑われる場合は以下分泌物のサンプルの顕微鏡検査と分析子宮頸部から採取した分泌物のサンプルを使用して行う、性感染症を検出する検査
* 特徴としては症状や診察結果を示しています。示されている特徴は典型的なものですが、常に認められるわけではありません。
†腟粘膜が薄くなることは、閉経関連泌尿生殖器症候群の一部の症状で、ほかに性交時の痛み、尿意切迫感、尿路感染症なども含まれます。
CT = コンピュータ断層撮影、MRI = 磁気共鳴画像。

* 特徴としては症状や診察結果を示しています。示されている特徴は典型的なものですが、常に認められるわけではありません。

†腟粘膜が薄くなることは、閉経関連泌尿生殖器症候群の一部の症状で、ほかに性交時の痛み、尿意切迫感、尿路感染症なども含まれます。

CT = コンピュータ断層撮影、MRI = 磁気共鳴画像。