リンパ節の腫れの主な原因と特徴

原因

一般的な特徴*

検査

がん

白血病(典型的には慢性、ときに急性リンパ性白血病)

疲労、発熱、体重減少

急性白血病では、しばしばあざや出血が生じやすくなる

血算および特別な血液検査(末梢血塗抹検査またはフローサイトメトリー)

骨髄検査

リンパ腫

痛みを伴わないリンパ節の腫れ(局所的または広範)

リンパ節はしばしばゴム状で、ときに癒合する

しばしば発熱、寝汗、体重減少

リンパ節の生検

特殊な血液検査

転移性のがん(しばしば、頭頸部がん、甲状腺がん、乳がん、肺がん)

首に痛みのないリンパ節を1つまたは数個触れる

リンパ節はしばしば硬く、押しても動かないことがある

原発性腫瘍を特定する検査、しばしば画像検査、血液検査、生検を含む

結合組織疾患

川崎病

小児の首のリンパ節の腫れおよび圧痛

発熱(通常は39℃以上)、体幹部の発疹、舌の顕著な赤色の隆起、手のひら、足底、爪周囲の皮膚の剥離

医師の診察のみ

サルコイドーシス

痛みを伴わないリンパ節の腫れが広範囲にみられることがある

しばしばせき、息切れ、発熱、けん怠感、筋力低下、体重減少、関節痛

胸部の画像検査(単純X線検査またはCT検査)

ときにリンパ節の生検

全身性エリテマトーデス

広範なリンパ節の腫れ

典型的には関節の痛みおよびときに腫れ

ときに鼻および頬の赤色の発疹ならびにその他の皮膚のびらん

医師の診察と血液検査

感染症

歯性感染症

首の片側のリンパ節のみが腫れる(しばしば圧痛)

歯痛

医師または歯科医の診察のみ

HIV(感染した直後、すなわち初感染)

全身のリンパ節が腫れる

通常は発熱、けん怠感、発疹、関節痛

しばしば、HIV曝露が判明している人または高リスク行為(他の人が使用した注射針の使用、リスクの高い性行為など)に曝露した人

HIVの血液検査

伝染性単核球症

両側性の腫れ、典型的には首、ときにわきの下または鼠径部

発熱、のどの痛み、重度の疲労

典型的には青年または若い成人

伝染性単核球症の血液検査

性感染症(STI)(特に単純ヘルペス、クラミジア、梅毒)

第2期の梅毒を除き、鼠径部でのみリンパ節が腫れる

しばしば泌尿器症状(排尿痛など)と尿道または腟からの分泌物

ときに性器の痛み

梅毒の第2期では、しばしば広範囲の粘膜の痛みと広範囲のリンパ節の腫れ

性感染症の検査

皮膚・軟部組織感染症(例えば、蜂窩織炎、膿瘍、ネコひっかき病)、リンパ節への直接的な感染も含む

通常は、腫れたリンパ節の近くの皮膚に目に見える切り傷または感染症がある

通常は医師の診察のみ

ときに感染している微生物に対する抗体を特定するための血液検査

トキソプラズマ症

首とわきの下のリンパ節が左右両側で腫れる

ときにインフルエンザ様症状と肝臓および脾臓の腫大

しばしば、ネコの糞便にもさらされたことがある

血液検査

結核がリンパ節に影響

通常は首または鎖骨より上のリンパ節が腫れる

ときにリンパ節の炎症または排膿

しばしばHIV感染者

ツベルクリン検査または結核の血液検査

通常はリンパ節の生検

上気道感染症(のどの痛みも含む)

首のリンパ節が腫れ、圧痛はほとんどないか、まったくない

のどの痛み、鼻水、せき

医師の診察のみ

その他

薬剤:アロプリノール、抗菌薬(セファロスポリン系、ペニシリン、スルホンアミド系など)、アテノロール、カプトプリル、カルバマゼピン、フェニトイン、ピリメタミン、キニジンなどの一般的な薬剤

原因薬剤を使用したことがある

フェニトイン以外では、発疹、関節痛、筋肉痛、発熱

医師の診察のみ

シリコン製乳房インプラント

乳房インプラントを入れている女性でのわきの下のリンパ節の腫れ

医師の診察およびときにリンパ節の腫れをもたらす他の原因の検査

*特徴としては症状や診察結果を示しています。示されている特徴は典型的なものですが、常に認められるわけではありません。

CT = コンピュータ断層撮影、HIV = ヒト免疫不全ウイルス、STI = 性感染症。

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