がんの主な合併症

合併症

説明

心タンポナーデ

心臓を包む袋状の構造(心膜または心嚢[しんのう])に体液が貯留する。この体液が心臓を圧迫し、心臓が血液を送り出す能力を妨げる。がんが心膜に浸潤し心膜を刺激すると体液が貯留する場合がある。

胸水

肺を包む袋状の構造(胸膜)に体液が貯留して、息切れを起こす。

上大静脈症候群

体の上部から心臓に血液を送る静脈(上大静脈)が、がんによって部分的にまたは完全にふさがる。上大静脈がふさがれると胸の上部と首の静脈がふくれ上がり、顔、首、胸の上部の腫れを生じる。

脊髄圧迫

がんが脊髄または脊髄神経を圧迫し、痛みと機能喪失(尿失禁や便失禁など)が生じる。脊髄または脊髄神経の圧迫が長引くほど、圧迫がなくなった後に正常な神経機能が回復する可能性が低下する。

脳の機能障害

がんが脳内で増殖することで、脳の機能に異常が生じる。脳内のがんは原発性の場合と別の部位から転移して生じる場合があり、後者の方がより多くみられる。錯乱、眠気、興奮、頭痛、視野異常、感覚異常、筋力低下、吐き気、嘔吐、けいれん発作といった様々な症状が起こる可能性がある。

出血

出血は、正常な組織や血管の浸潤や破壊、または腫瘍内に異常な破れやすい血管ができることにより発生することがある。