首の痛みの主な原因と特徴

首の痛みの主な原因と特徴

原因

一般的な特徴*

検査

一般的であるもののあまり重篤ではない原因

ねんざと挫傷

以下に該当する痛み

  • 通常は脊椎の左右どちらか片側に起こる

  • 動かすとひどくなり、安静にしていると和らぐ

医師の診察

筋肉のけいれん

絶え間ない痛みとこわばり、それにより頭部を左右どちらか(ときに両方向)に回すのが困難か、痛みを伴う

神経系の機能異常の症状(神経症状)はない

医師の診察

変形性関節症(脊髄神経根の圧迫は伴わない)

以下に該当する痛み

  • ときとして絶え間なく続く

  • 動かすとひどくなる

手の指の関節や股関節、膝関節に関節炎がある人にしばしばみられる

医師の診察

ときに頸部のX線検査

頸椎症(脊髄神経根の圧迫を伴う)

以下に該当する痛み

  • しばしば腕へ、ときに手へと広がる

  • 通常は首そのものより腕に起こる

ときに腕の筋力低下やしびれ

頸部のMRI検査

頸部脊柱管狭窄症

首の可動域の制限

ときに脊髄圧迫の症状(例えば、腕や手、脚や足のしびれまたはピリピリ感、筋力低下、平衡感覚の喪失)

医師の診察

ときに頸部のMRI検査

ときに筋電図検査と神経伝導検査

椎間板ヘルニア(一般的に脊髄神経根の圧迫を伴う)

首の痛みの重症度が腕の痛みと同等以上になる場合があることを除き、上記の頸椎症と同じ

頸部のMRI検査

線維筋痛症

体の多数の部位(首だけに限らない)にみられる、うずくような痛みとこわばり

触れると痛みを感じる部位がある

よく眠れないことが多い

20~50歳の女性に最も多くみられる

医師の診察

一般的でないものの重篤な原因

首の動脈の内層が裂けている

通常は絶え間なく続く頭部、頸部、または顔面の痛み

平衡感覚や味覚の喪失、錯乱、体の左右片側にみられる腕と脚の筋力低下、嚥下困難、発声困難、視力障害など、通常は神経症状がみられる

MRA検査(首の動脈を見えるようにするための造影剤の注入を伴うMRI検査)

血管造影検査

脊椎の腫瘍

姿勢や動作にかかわらず、だんだんひどくなる絶え間ない痛み(夜間にも続く)

ときに寝汗または体重減少

MRIまたはCT検査

ときに生検

骨や近くの組織の感染

姿勢や動作にかかわらず、だんだんひどくなる絶え間ない痛み(夜間にも続く)

ときに寝汗や発熱、体重減少

MRI検査

通常は感染組織のサンプルの培養検査

髄膜炎

重度の頭痛

首の痛みが首を前に曲げたときに悪化するが、横にひねったときには悪化しない

通常は発熱や嗜眠、錯乱

腰椎穿刺と髄液の分析

心臓発作または狭心症

突然でときに繰り返す発汗、呼吸困難、胸の不快感

通常は心疾患の危険因子がある

通常は胸にも痛みがある

心電図検査、心臓の損傷をチェックするために心筋マーカーと呼ばれる物質を測定する血液検査、心臓カテーテル検査や負荷試験などの画像検査

* 特徴としては症状や診察結果を示しています。示されている特徴は典型的なものですが、常に認められるわけではありません。

CT = コンピュータ断層撮影、MRA = MRアンギオグラフィー、MRI = 磁気共鳴画像。

* 特徴としては症状や診察結果を示しています。示されている特徴は典型的なものですが、常に認められるわけではありません。

CT = コンピュータ断層撮影、MRA = MRアンギオグラフィー、MRI = 磁気共鳴画像。

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