先天異常とは、出生前の段階で生じた身体的な異常のことです。「先天」とは「生まれたときから存在する」という意味です。
顔面および頭蓋骨の先天異常(頭蓋顔面奇形)はかなり多くみられます。体の特定の部分、例えば口(口唇裂または口蓋裂[こうがいれつ])だけが侵されることがあります。多くの異常を伴う遺伝性症候群の一部である場合もあり、その例としては先天異常が顔面だけでなく他の多くの部位にも現れるトリーチャー・コリンズ症候群などがあります。
頭蓋顔面奇形は、母親の体内で胎児が成長している間に、頭や顔の骨が異常に成長または発達することによって起こります。顔面で最もよくみられる異常は、口唇裂と口蓋裂(こうがいれつ)です。耳、眼、および顎に異常が出ることもあります。頭蓋骨に影響を及ぼす頭蓋顔面奇形には、大頭症(頭蓋骨が大きすぎる)、小頭症(頭蓋骨が小さすぎる)、頭蓋縫合早期癒合症(頭蓋骨の骨間の接合部が早く閉じること)などがあります。
先天異常は以下のように分類されます。
変形
形成異常
変形とは、体の部分の形状の変化です。変形は、子宮内の胎児(例えば、耳の外殻が折り畳まれている)や出産後の乳児(例えば、頭蓋骨の変形)にかかる異常な圧力を原因とします。出生時の変形は、約2%でみられます。治療なしで数日以内に改善する形成異常もあれば、治療が必要な形成異常もあります。
形成異常は、子宮内で胎児が発育していく過程で生じたエラーです。形成異常の原因としては、染色体異常、単一遺伝子疾患、環境的な要因など(先天異常を引き起こすことが知られている物質である催奇形物質など)があります。形成異常は遺伝的な要因と環境的な要因が組み合わさることでも起こります。一部の場合では、原因は不明です。出生時の形成異常は、約3~5%でみられます。



