水疱(すいほう)性角膜症とは、角膜(虹彩と瞳孔の前にある透明な層)に水疱状の腫れを生じる眼疾患です。
症状としては、明るい光への過敏、かすみ目、間欠的に起こる眼の中の異物感などがあります。
医師は、角膜の外観に基づいて水疱性角膜症を診断します。
治療法としては、点眼薬による角膜からの余分な液体の排出、眼圧を下げる薬、角膜移植などがあります。
水疱性角膜症は、高齢者に最も多くみられます。単独で発生することもあれば、家族内で遺伝することもあり、場合によっては、白内障手術などの眼の手術を行った後に発生することもあります。
水疱性角膜症の症状
角膜が腫れて、角膜表面に液体の詰まった水疱が形成されます。明るい光への過敏、重度のかすみ目を伴うことがあります。水疱は破裂することがあり、その場合激しい痛みと、しばしば眼の中に異物が引っかかっているような感覚を伴い、視覚がさらに障害されます。
眼を閉じているときに水分がたまるため、通常は起床時に症状が悪化します。日中、時間が経つにつれて、異常がある方の眼は水分が蒸発して乾燥し、症状が消失します。
水疱性角膜症の診断
医師による評価
水疱性角膜症を診断する際には、角膜の特徴的な腫れや濁り、角膜表面の水疱が手がかりになります。細隙灯(さいげきとう)顕微鏡は、拡大鏡下に眼を観察できる器具で、角膜の診察に使用されます。診察に際し、医師はフルオレセインという黄緑色の色素を含む点眼薬を投与します。フルオレセインを使用すると、傷ついた部分に一時的に色がつき、普段は目に見えない角膜の損傷部が観察しやすくなります。
水疱性角膜症の治療
食塩水の点眼
眼の内圧(眼圧)を下げる薬
ときにソフトコンタクトレンズ
ときに角膜移植
水疱性角膜症は、眼科医(眼の病気の評価と[手術を含む]治療を専門とする医師)が治療します。
過剰な水分を角膜から引き出すために、塩分の入った点眼薬(高張食塩水)や軟膏(高張塩化ナトリウム)が使用されます。
ときに、眼圧を下げる薬が投与されることもあります。
場合によっては、ソフトコンタクトレンズを短期間使用して、包帯代わりに角膜を保護することで不快感を軽減することもあります。
視力低下が生じた場合や、強い不快感が長く続く場合は、しばしば角膜移植が行われます。