単純ヘルペス角膜炎

(単純ヘルペス角結膜炎)

完全なレビュー: 2024年 7月 執筆者:Vatinee Y. Bunya, MD, MSCE, Scheie Eye Institute at the University of Pennsylvania | 査読者Sunir J. Garg, MD, FACS, Thomas Jefferson University
最終更新日: 2024年 7月
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単純ヘルペス角膜炎とは、単純ヘルペスウイルスによる角膜の感染症です。この感染症は一般的に再発し、角膜の感覚低下や瘢痕化につながることがあります。場合によっては、視力が障害されます。

  • 眼の痛み、流涙、眼が赤くなる、眼に異物が入っているような感覚がする(異物感)、明るい光への過敏といった症状がよくみられます。

  • 医師は、角膜の検査を行ったり、ときには眼を拭ってウイルスを特定したりすることにより、単純ヘルペス角膜炎を診断します。

  • 治療には抗ウイルス薬が使用されます。

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単純ヘルペスウイルス(口唇ヘルペスの原因)は最初の感染(一次感染)後も決して体から消えません。その代わりに、ウイルスは休眠期入り神経内にとどまります。ときに、ウイルスが再活性化し、さらに症状を起こします。

単純ヘルペスウイルスの眼への一次感染は、多くの場合小児期に起こり、軽度の角結膜炎を引き起こします。角結膜炎とは、角膜と結膜(まぶたの裏側と白眼部分を覆う膜)の炎症のことです。

この感染症は治療しなくても消失し、不活化ウイルスは神経根に潜伏します。いくつかのタイプのストレスによってウイルスが再活性化されることがあります。

  • 強い光(日光または眼の手術で使用されるレーザー)に当たる

  • 発熱

  • 月経

  • 著しい身体的ストレス(例えば、熱傷や骨折)

  • 免疫抑制

  • コルチコステロイド(免疫系と協働して炎症を止めるホルモンまたは薬剤)の使用

感染症が再発した場合には、角膜への影響がより深刻になり、一時的または恒久的な視力障害が生じる可能性があります。

単純ヘルペス角膜炎は、世界的に失明の主な原因となっています。

単純ヘルペス角膜炎の症状

単純ヘルペスウイルスによる眼への一次(最初の)感染の症状は、一般的な結膜炎に類似しているため、単純ヘルペス感染症の診断は下されません。

再発時の症状には、流涙、充血、異物感(眼に異物が入っているような感覚)、明るい光に対する過敏などがあります。まれですが感染症が悪化して角膜が腫れて、眼がかすむことがあります。感染が再発する回数が多いほど、角膜の表面をさらに損傷する可能性が高まります。何度も再発を繰り返すと、深い潰瘍や永続的な瘢痕ができたり、角膜に血管が成長したり、眼球の触覚が失われることがあります。

何度か再発すると、単純ヘルペスウイルスは重大な視覚障害を引き起こす可能性があり、これが永久に残ることもあります。

単純ヘルペス角膜炎の診断

  • 眼の診察

  • ときに培養またはその他の検査

単純ヘルペス感染症を診断するには、細隙灯顕微鏡(拡大鏡で眼を検査できる器具)で眼を診察します。検査中、医師はフルオレセインと呼ばれる黄緑色の色素を含む点眼薬を点眼することがあります。フルオレセイン色素は、角膜の損傷を一時的に明るい緑色に染色するため、目に見えない損傷部位を医師が見ることができます。

ウイルス培養検査や核酸増幅検査(NAAT)により、感染部位をスワブで観察してウイルスを特定することもあります。ウイルス培養では、感染部位から採取した血液、体液、その他の物質のサンプル中の微生物が検査室で増殖して特定されます。NAATは、微生物固有の遺伝物質であるDNAまたはRNA(核酸)を探すために使用されます。NAATは、細菌のDNAまたはRNAの量を増やすプロセスを使用して、より容易に特定できるようにします。

単純ヘルペス角膜炎の治療

  • 抗ウイルス薬の点眼薬

  • 抗ウイルス薬の内服または静脈内投与

  • コルチコステロイドの点眼薬と瞳孔を散大させる点眼薬

  • ときに、感染して損傷した眼の細胞の除去

単純ヘルペス角膜炎の治療はできるだけ早く開始する必要があります。

トリフルリジン点眼薬またはガンシクロビル点眼ゲル剤などの抗ウイルス薬が処方されることがあります。

別の抗ウイルス薬であるアシクロビルを内服または静脈内(点滴)で投与することもあります。抗ウイルス薬であるバラシクロビルも内服することができます。アシクロビルまたはバラシクロビルは、頻繁に起こること(抑制療法と呼ばれます)や、視力を脅かすほど重度の発作を起こした人に対して処方されることがあります。腎障害がある人では、これらの抗ウイルス薬の用量を調整する必要がある場合があります。

大きな炎症を生じる深部の感染症では、コルチコステロイドの点眼薬が必要になることがあります。

シクロペントラート、アトロピンまたはスコポラミンなどの瞳孔を散大させる点眼薬が症状の緩和に役立つことがあります。

ときに治癒を早めるため、眼科医(眼の病気の診断および治療を専門とし、眼の手術を行う医師)は眼に麻酔をかけてから軟らかい綿棒で角膜の表面をそっとぬぐい、感染して損傷を受けた細胞を除去しなければならないこともあります。

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