鼻と副鼻腔

完全なレビュー: 2025年 1月 執筆者:Eric J. Formeister, MD, MS, Dept. of Head and Neck Surgery and Communication Sciences, Duke University School of Medicine | 査読者Lawrence R. Lustig, MD, Columbia University Medical Center and New York Presbyterian Hospital
最終更新日: 2025年 1月
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やさしくわかる病気事典

鼻は、嗅覚器官であるとともに、肺に出入りする空気の主な通り道にもなっています。鼻は、肺に向かう空気を温め、加湿し、きれいにします。鼻の周囲の顔面の骨には副鼻腔と呼ばれる空洞があります。副鼻腔としては、上顎洞(じょうがくどう)、篩骨洞(しこつどう)、前頭洞(ぜんとうどう)、蝶形骨洞(ちょうけいこつどう)の4組があります。副鼻腔は、顔面の骨と頭蓋骨の重量を減らしつつ、骨の強度と形を維持させています。また、鼻と副鼻腔の空洞部分は、声に響きを加えています。

副鼻腔ふくびくう位置いち

外鼻の上部は骨により、下部は軟骨により支えられています。鼻中隔弯曲症は、鼻中隔が曲がるか中央からずれ、片方の鼻の穴が他方よりも狭くなった状態です。鼻中隔は骨と軟骨からなり、鼻孔から鼻の奥まで伸びています。鼻甲介(びこうかい)という骨が鼻腔に突き出し、一連のひだを作り出しています。このひだで鼻腔の表面積が大きく増え、それによって熱や湿気の交換がより効果的にできます。このひだの間にポリープが生じることがあり、特に喘息の人、アレルギーのある人、嚢胞性線維症の人、およびアスピリンを長期的に服用している人に多くみられます。

鼻腔の内側は血管が密集した粘膜に覆われています。表面積が広く、血管がたくさんあるおかげで、鼻は外から入ってくる空気を素早く温め加湿することができます。粘膜の細胞は粘液を分泌し、表面には細い毛のような小突起(線毛)があります。通常、鼻の中に入ってきたほこりの粒子を粘液がとらえると、線毛がそれを鼻孔またはのどに向かって運び、気道から取り除きます。この働きは、肺に入る空気をあらかじめきれいにするのに役立ちます。くしゃみは刺激に反応して鼻の通り道を自動的にきれいにする働きで、せきが肺をきれいにするのに相当します。

副鼻腔も、鼻腔と同様に、線毛をもち粘液を分泌する細胞でできた粘膜で覆われています。副鼻腔にほこりの粒子が入ると粘液にとらえられ、線毛の働きで、副鼻腔口という小さな開口部から鼻腔へ運ばれます。これらの穴は非常に狭いため、かぜやアレルギーなどで粘膜が腫れるとすぐにふさがってしまいます。副鼻腔からの正常な排出が妨げられると、副鼻腔の炎症や感染が生じます(副鼻腔炎)。

嗅覚

鼻の最も重要な働きの1つは、嗅覚の役割です。鼻腔の上部には嗅覚受容器という細胞があります。それらは線毛を備えた特殊な神経細胞です。各細胞の線毛は、様々な化学物質に反応し、刺激を受けると神経インパルスを生じ、そのインパルスは鼻のすぐ上の頭蓋内にある嗅球の神経細胞へと送られます。神経インパルスは嗅球から嗅神経によって脳に直接伝えられ、匂いとして認識されます。

嗅覚は、まだ完全には解明されていませんが、味覚に比べて、その仕組みははるかに高度なものです。人間が識別できる匂いの数は、味よりもはるかにたくさんあります。食べているときの主観的な味覚(風味)には、味と匂い(図「」を参照)、食感や温度が関わっています。かぜをひいたときのように、嗅覚が鈍っていると食べものの味があまりしないように感じるのは、そのためです。嗅覚受容器は鼻腔内の上の方にあるため、普通の呼吸ではそこには空気があまり届きません。しかし、匂いをかごうとして鼻から空気を吸い込むと、嗅覚受容器に届く空気の量が増え、受容器に触れる匂い物質の量が大きく増加します。

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