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やさしくわかる病気事典
非機能性副腎腫瘤は、ホルモン活性をもたない副腎の組織の悪性または良性の増殖です。
(副腎の概要も参照のこと。)
非機能性副腎腫瘤は良性の増殖であることもあれば、がんの場合もあります。腫瘤は充実性のものもあれば、嚢胞(内部に液体がたまり、ときに組織を構成する物質も混在する袋状の組織)であるものもあります。出血や感染により生じるものもあります。
通常は、無症状ですが、過剰な出血によってできた腫瘤は例外で、その場合腹痛がみられ、脱力感やめまいがすることもあります。
別の理由でCT検査やMRI検査を受けたときに、偶然腫瘤が発見されることがよくあります。ほとんどの場合、精密な画像検査で、その腫瘤ががんであるか、またはがんの可能性が低いかどうかが分かります。腫瘤が発見されたら、医師は血液検査を行って副腎機能を測定します。
治療法は、腫瘤の大きさによって異なります。腫瘤が約4センチメートルを超える場合は通常外科的に切除されます。腫瘤が約2センチメートル未満であれば、通常そのままにしておいて、腫瘤から過剰なホルモンが分泌され始めていないか検出するために血液検査を行います。腫瘤の大きさがこの中間であり、ホルモンの値が正常であれば、定期的な血液検査に加えて画像検査も行い、腫瘤が大きくなっていないかを確認します。腫瘤が小さい場合は、以下の場合に切除が必要になる可能性があります。
大きさが約4センチメートルを超えている場合
ホルモン値が上昇し始めており、症状を引き起こしている場合
腫瘤が、がんである可能性が高い場合
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