第4脳神経が麻痺すると、垂直方向の眼球運動が損なわれます。
多くの場合、原因は特定できませんが、特定できる場合は通常、頭部外傷(ときに軽度のもの)によるものです。
視界に2つの像が重複して見えますが(複視)、麻痺がある方の眼とは反対側に頭を動かすと、複視がなくなります。
医師は症状に基づいて第4脳神経麻痺を疑いますが、CTまたはMRI検査が行われることもあります。
原因が特定されれば、それに対する治療を行います。
(脳神経の概要も参照のこと。)
麻痺とは動かせなくなること意味し、部分麻痺から完全麻痺まで程度に幅があります。
第4脳神経麻痺の原因
第4脳神経麻痺の症状
片方または両方の眼が侵されます。影響が出た側の眼は内側と下側に動かすことができません。その結果、片方の像がもう片方の像より上方と少し横にずれて、二重に像が見えます。このようになると、階段を降りるのが困難になります(降りるときに内側と下側を見る必要があるため)。しかし、筋肉が麻痺している眼とは反対側に頭を傾けると、複視を打ち消すことができます。この姿勢をとると、麻痺の影響を受けていない筋肉を使って両眼の焦点を合わせることになるためです。
第4脳神経麻痺の診断
眼球運動の制限
CTまたはMRI検査
通常は、特徴的な眼球運動の制限がみられる場合に第4脳神経麻痺が疑われます。原因を特定するために、脳のCTまたはMRI検査が行われることがあります。
第4脳神経麻痺の治療
原因が特定された場合、その治療
眼の運動
プリズム眼鏡
第4脳神経麻痺の原因が特定された場合は、その治療を行います。
眼の運動やプリズム眼鏡も役立つことがあります。プリズム眼鏡のレンズは、上部が薄く、下部が厚くなっています。光がプリズムを通過するとき、光はレンズの上部よりも下部でゆっくりと通過します。こうしてプリズムにより光が曲がるため、麻痺による複視が調整されます。
通常は時間の経過とともに麻痺は消失しますが、最終的に手術が必要になることもあります。