好酸球性筋膜炎

執筆者:Kinanah Yaseen, MD, Cleveland Clinic
Reviewed ByBrian F. Mandell, MD, PhD, Cleveland Clinic Lerner College of Medicine at Case Western Reserve University
レビュー/改訂 修正済み 2024年 11月
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好酸球性筋膜炎は、腕や脚の皮膚やその下の組織が、痛みを伴う炎症と腫れを起こし、次第に硬くなっていく、まれな全身性リウマチ性疾患です。

  • 原因は不明ですが、環境因子、疾患、または薬によって誘発されることがあります。

  • 症状は、皮膚やその下の組織の痛み、腫れ、炎症です。

  • 生検が行われ、観察と検査のために組織が採取されます。

  • コルチコステロイドや、ときに他の免疫抑制薬が役に立ちます。

病名のうち好酸球性という部分は、発症初期に好酸球と呼ばれる白血球の一種が血液中に多くみられることを表しています。筋膜炎とは、筋肉の表面や間にある丈夫な線維性の組織である筋膜の炎症を意味しています。

好酸球性筋膜炎の原因は不明ですが、激しい運動やけが、ライム病、特定の薬や物質への曝露などが原因である可能性があります。好酸球性筋膜炎は、赤血球の産生不全(再生不良性貧血といいます)や骨髄の形質細胞がん(多発性骨髄腫)などの血液の病気がある人にも起こることがあります。

この病気は、主に中年の男性に発症しますが、女性や小児に発症する場合もあります。

好酸球性筋膜炎の症状

好酸球性筋膜炎の通常の初期症状は、皮膚の痛み、腫れ、炎症であり、特に腕の内側や脚の前面に多くみられます。顔面、胸部、腹部の皮膚が侵されることはまれで、手足の指が侵されることはありません。

症状は通常、徐々に進行していきます。数週間後には、炎症を起こした皮膚が硬くなり始め、最終的にはオレンジの皮のような質感になります。典型的には腕や脚を上げているときに、静脈が皮膚の表面近くにある部位に、線状のへこみがみられる場合もあります。

皮膚が徐々に硬くなっていくにつれて、腕や脚が動かしにくくなります。早期に病気の治療が行われなければ、最終的に腕と脚が普通ではない位置で永久的に固まります(拘縮)。筋力の低下は通常みられませんが、筋肉痛や関節痛が起こる場合があります。まれですが、腕が侵された場合には、手根管症候群を発症することもあります。

体重減少や疲労がよくみられます。

好酸球性筋膜炎の診断

  • 生検

  • 血液検査

好酸球性筋膜炎の診断は、症状、身体診察の結果、すべての検査結果など、医師が集めたすべての情報に基づいて下されます。

診断を確定するには、侵された皮膚とその下にある組織(筋膜)の生検を行います。生検のサンプルは、筋肉に至るまでの皮膚の全層を含んでいる必要があります。

また、血液検査も行われます。血液検査では、血液中の好酸球の数が増加し、赤血球沈降速度(赤沈)の値も高くなります。(赤沈は、炎症の有無を調べる検査で、血液が入った試験管で赤血球が試験管の底に沈澱する速さを測定します。) これらの値の増加は、炎症を示します。血液検査の結果は好酸球性筋膜炎の診断を下すのに役立ちますが、そこで検出される異常がときとして健康な人や別の病気の人でみられることがあるため、それだけでは好酸球性筋膜炎の診断を確定することはできません。

MRI検査も診断を助ける場合がありますが、生検ほど決定的ではありません。

好酸球性筋膜炎の治療

  • コルチコステロイド

組織の瘢痕化、萎縮、拘縮などを予防するため、好酸球性筋膜炎の治療はできるだけ早く開始するべきです。

大半の患者は、高用量のコルチコステロイド(プレドニゾン(日本ではプレドニゾロン))(免疫抑制薬の一種)に直ちに反応します。すでに萎縮や瘢痕化が起こった組織がコルチコステロイドで治癒することはありません。用量は徐々に減らすことができます。その他の免疫抑制薬(メトトレキサート、あるいはアザチオプリンまたはミコフェノール酸モフェチル)を、コルチコステロイドと併用することがあります。

拘縮と手根管症候群には、手術による治療が必要になることがあります。

理学療法が拘縮の軽減とさらなる拘縮の予防に役立つ可能性があります。

血液の病気を発症した場合に可能な限り早期の診断と治療ができるように、医師は血液検査によるモニタリングを続けます。

免疫抑制薬の投与を受けている患者には、真菌のニューモシスチス・イロベチイ(Pneumocystis jirovecii)などによる感染症を予防するための薬(易感染状態にある人の肺炎の予防を参照)のほか、肺炎インフルエンザ新型コロナウイルスなどの一般的な感染症に対するワクチンも投与します。

好酸球性筋膜炎の予後(経過の見通し)

長期的な結果は様々ですが、好酸球性筋膜炎は速やかに治療すれば消失する可能性があります。

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