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吸引は、気管や太い気道(気管支)から粘液やその他の体液(分泌物)そして細胞を採取するために行われ、一般的には人工呼吸器を使用している人、または神経や筋肉に問題があるため、せきによってうまく分泌物を吐き出すことができない人に用いられます。吸引は、肺の感染症を引き起こしている微生物を特定する必要がある場合に顕微鏡検査や培養検査用のサンプルを採取するため、またせきが十分にできない場合に気道から分泌物を取り除いたりするためにも行われます。
透明な合成樹脂製の長く柔軟なチューブを鼻孔または口から気管へ挿入し、チューブの他端を吸引ポンプにつなぎます。チューブが正しい位置に届いたら、2~5秒間の吸引を間欠的に行います。首から気管につながるチューブ(気管切開チューブ)や、口や鼻から気管につながるチューブ(気管内チューブ)がある場合は、吸引チューブを直接そのチューブにつなぐことができます。気管につながるチューブに少量の塩水を入れると、吸引による分泌物や細胞の採取が容易になることもあります。
(肺疾患に関する病歴聴取と身体診察および呼吸器系も参照のこと。)
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