陰茎がんは、通常、皮膚がんの一種です。陰茎のどの部位にも皮膚がんが起こる可能性がありますが、最も多いのは亀頭(円錐形をした陰茎の先端部分)で、特に亀頭の根元に多くみられます。米国では陰茎に皮膚がんができることはまれで、特に包皮切除を受けた人ではめったにみられません。
陰茎がんの原因
陰茎がんの症状
この写真では、表皮内有棘細胞がんによる陰茎上の赤いうろこ状の病変が見られます。
BIOPHOTO ASSOCIATE.SCIENCE PHOTO LIBRARY
陰茎がんは、赤くなった痛みのない領域として現れることが多く、しばしばただれを伴いますが、皮膚の硬化やいぼのように見えることもあります。がんは、他の多くの増殖性病変とは異なり、数週間たっても治癒しません。ケーラー紅色肥厚症では、亀頭の先端や包皮の内側に、赤みを帯びた、滑らかなまたはかさぶた化した病変が限局的に生じることが多いです。鼠径部のリンパ節は、がんが転移したりリンパ節の感染症や炎症が起きることで腫れることがあります。
陰茎がんの診断
生検
ときにCT(コンピュータ断層撮影)またはMRI(磁気共鳴画像)検査
陰茎がんの診断を下すには、採取した組織サンプルを顕微鏡で調べます(生検)。ときにCT(コンピュータ断層撮影)検査やMRI(磁気共鳴画像)検査を行い、がんが周辺の器官や陰茎外の組織に広がっているかどうかを調べます。リンパ節が大きくなって炎症を起こしている場合は、リンパ節の生検を行うこともあります。
陰茎がんの治療
ときにフルオロウラシルまたはイミキモドのクリーム剤の外用
手術
放射線
早期のがんや小さながんの治療では、フルオロウラシルまたはイミキモドを含有するクリーム剤を処方する場合や、レーザー手術でがんとその周囲の正常な組織を切除する場合があります。一部のがんでは放射線療法が選択肢の一つとなります。その場合は、放射線を放出する小さな線源(放射線シード)を体内に挿入する方法と、体外から放射線を照射する方法のどちらかを選択します。それ以外の場合は手術でがんを切除しますが、陰茎はできる限り温存します。多くの場合は、このような手術後も残った陰茎組織で排尿と性行為を行うことができます。がんがより多くの領域に広がっている場合は、さらに広範囲にわたる陰茎の手術が必要になります。
陰茎がんはときに鼠径部のリンパ節に転移するため、それらのリンパ節の切除が必要になる場合があります。がんが疑われるリンパ節が多数または左右両側にある、もしくは特に鼠径リンパ節が大きい場合には、術前化学療法を行います(切除手術前にできるかぎり腫瘍を小さくしておくため)。腫瘍を手術で完全に切除できない場合には、放射線治療も考慮します。
陰茎がんの予後(経過の見通し)
ほとんどの症例では、陰茎がんの病変は小さく、転移もみられません。こうしたケースでは、治療後も患者は長期にわたって生存します。一方、がんが鼠径部リンパ節を越えて他の器官に転移した患者の多くは、5年以内に死亡します。
陰茎がんの予防
陰茎がんを予防する戦略としては、幼少期における包皮切除、包皮切除をおこなわない場合は長期的な衛生状態の改善、さらにヒトパピローマウイルスのうちがん発症原因となることが知られている型に対する青少年期のワクチン接種などがあります。



