ジェネリック医薬品と医薬品の命名の概要

執筆者:Shalini S. Lynch, PharmD, University of California San Francisco School of Pharmacy
Reviewed ByEva M. Vivian, PharmD, MS, PhD, University of Wisconsin School of Pharmacy
レビュー/改訂 修正済み 2025年 8月
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医薬品とは、病気の治療に使用される物質のことです。医薬品にはいくつかの名前があります。医薬品が発見されると、まず、構成元素や分子構造を表す化学名がつけられます。通常、化学名は日常的に使うにはあまりにも複雑で扱いにくいです。次に、研究者たちが簡単に参照できるように、化学名の略称またはコード名(RU486など)が開発されます。

米国では、医薬品が食品医薬品局(FDA)に承認されると(FDAは米国で販売される医薬品の安全性と有効性を保証する米国政府責任機関です)、以下の名前がつけられます。

  • 一般名(正式名称)

  • 製品名(登録商標名、商標、または販売名)

例えば、同じ医薬品に対して、フェニトインが一般名、Dilantinが製品名です。この医薬品は一般的に使われている抗てんかん薬です。

一般名は、米国では、公的機関の米国一般名委員会(USAN)によって割り当てられます。

製品名は、その医薬品の承認を申請した製薬会社が名づけるもので、その会社が独占的な権利を有することを示すものです。

特許で保護されている医薬品は、その会社が製品名で販売します。特許が切れた(特許による保護の期間が終了した)医薬品は、一般名でも、製品名でも販売できます。特許がきれた医薬品の販売承認を他社が受ける場合、一般名は同じ名称を使わなければなりませんが、製品名は独自の名前をつけることができます。その結果、同じジェネリック医薬品が、一般名(例えば、イブプロフェン)で販売されることもあれば、様々な製品名(Advil、Motrinなど)で販売されることもあります。

医薬品を処方したり、処方薬を調剤するときに他の医薬品と間違えないようにするために、一般名と製品名は、他に存在しないものでなければなりません。起こりうる混乱を防ぐため、提案された製品名は、使用される前にFDAの承認を得なければなりません。

政府職員、医師、研究者などが新しい化合物について執筆する際には、その医薬品の一般名を使用します。一般名はある会社の特定の銘柄や特定の製品ではなく、薬の有効成分そのものを指すからです。しかし、医師が処方せんを書くときは製品名を使うのが一般的です。これは製品名の方が覚えやすいため新しい医薬品を製品名で覚える医師が多いからです。

一般名は製品名よりも複雑で覚えにくいのが普通です。一般名の多くは、医薬品の化学名、構造式、化学式などを簡略化したものです。これに対し製品名は、一般にその医薬品の使用目的に関連した、親しみやすく覚えやすい名前が付けられ、そのため医師が処方する際や、消費者が医薬品を探す際によく用いられます。製品名には、医薬品の特性をほのめかしたものが多くみられます。例えば、Lopressorは血圧を下げる(lowers blood pressure)医薬品、Glucotrolは血糖値の上昇を抑える(controls high blood glucose)医薬品、Skelaxinは骨格筋を弛緩させる(relaxes skeletal muscles)医薬品です。ときには、単に医薬品の一般名を縮めたものを製品名として使う場合もあります。例えば、Minocinは一般名のミノサイクリン(minocycline)を縮めたものです。

食品や家庭用品の場合、ジェネリック商品というと、価格は安いが効果や品質の点では劣る、ブランド品のコピー商品のことを意味する場合があります。しかし、ジェネリック医薬品は、先発医薬品より安価ながら、一般的には同等の効果・品質を有しています(ジェネリック医薬品の生物学的同等性と互換性を参照) 実際に、ジェネリック医薬品のメーカーは、先発医薬品を管理している会社の委託を受けて、多くの先発医薬品を製造しています。場合によっては、複数のジェネリック医薬品が利用できることもあります。例えば、痛みや発熱を緩和する目的で一般的に使用されている非処方薬であるアセトアミノフェンは、いろいろなバージョンが多くの製薬会社から販売されています。

特許による医薬品の保護

米国では、新しい医薬品を開発した製薬会社は、医薬品そのものとその製造方法、使用法のほか、医薬品を血液中に運んで放出する方法にまで特許を取得することができます。このため、製薬会社が1つの医薬品について複数の特許を所有していることがよくあります。特許を取得した製薬会社は1つの医薬品について20年間の独占権が認められます。追加特許を申請すれば、特許権の有効期限を延長することもできます。通常は、医薬品が発見されたとき(特許を取得したとき)から、その医薬品をヒトに使用することが承認されるまで約10年かかるため、製薬会社が新しい医薬品を独占販売できる期間は、特許期間の半分程度です。米国食品医薬品局(FDA)は、エイズやがん、効果的な治療法がない生命を脅かす病気を治療する医薬品については、承認審査をスピードアップすることがあります。

ある医薬品の特許期間が終了すると、特許権を保有していた製薬会社とは別の製薬会社が、FDAの承認を得た上で、その医薬品と同じ有効成分のジェネリック医薬品を製造し、販売することができます。ジェネリック医薬品は、オリジナルの先発医薬品よりも低い価格で販売されるのが普通です。ジェネリック医薬品を製造する製薬会社は、オリジナルの開発コストを回収する必要がなく、マーケティングコストも普通は少なくてすむからです。ジェネリック医薬品は一般名で販売することも、製品名(ブランデッドジェネリック)で販売することもできますが、オリジナルの特許所有者が使用していた製品名では販売できません。

特許が切れた医薬品でも、ジェネリック医薬品が出ないこともあります。複製が非常に困難であったり、あるいは、ジェネリック医薬品が先発医薬品と同じ作用を発揮することを試験で十分に実証できないことがあるからです。ときには、その先発医薬品の市場が非常に小さいため、ビジネスとして成り立たないという理由から、ジェネリック医薬品が製造されないこともあります。

市販のジェネリック医薬品

一部の非処方薬(市販薬)ではジェネリック医薬品が出ており、しばしばドラッグストアのチェーン店や生活協同組合のプライベートブランドとして低価格で販売されています。これらの医薬品は、処方薬のジェネリック医薬品と同様に評価されます。

市販のジェネリック医薬品のうち、どれが先発医薬品と同等の効果を有するかについては、薬剤師がアドバイスできます。もちろん、消費者は見た目や味、粘度などの特性から、気に入った製品を選ぶことができます。

さらなる情報

以下の英語の資料が役に立つかもしれません。こうした情報源の内容について、MSDマニュアルでは責任を負いかねることをご了承ください。

  1. 米国食品医薬品局:米国の政府機関で、ヒトおよび動物に対するすべての医薬品、バイオ医薬品、医療機器の安全性と有効性を保証しています。国の食糧、化粧品、放射線製品の安全性も確保しています。

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